つくろう、島の未来

2024年04月24日 水曜日

つくろう、島の未来

宮古島(みやこじま)と石垣島(いしがきじま)の間に浮かぶ多良間島(たらまじま|沖縄県)。「多良間ピンダ」(ピンダは多良間方言でヤギ)としてブランド化を図る多良間村の「ピンダアース大会」は、観光振興にも貢献している。

■角と角をぶつけ熱戦を繰り広げる「多良間ピンダアース」

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沖縄県の宮古島と石垣島の間に浮かぶ多良間島は人口1,248人、面積19.81平方キロメートルの島。島の特産である山羊を多良間方言で「ピンダ」と呼び、「多良間ピンダ」の名称で愛されている。

多良間ピンダのブランド化は、2005年の「たらまピンダ島興し事業」に始まり、沖縄離島振興特別対策事業に採択された後、2006年8月には山羊の飼育頭数増加を目的に「多良間村山羊生産組合」が設立された。現在、島内では約500頭の山羊が飼育されており、山羊汁のレトルトパックは多良間村内や沖縄県内の7店舗に、山羊肉は本土の6店舗に、それぞれ出荷している。

多良間ピンダは島の観光振興にも貢献している。5月3日に開催された「第十回 多良間ピンダアース大会」には、村民、観光客あわせて300人あまりが参加した。

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「ピンダアース」とは、多良間方言で「ヤギとヤギが角をぶつけ合う決闘」の意味。1試合は3分で行われ、時間内にどれだけ多くの技を出したかで勝敗が決まる。今大会では、軽量級、中量級、重量級に計19頭が出場し、階級別にトーナメント形式で熱戦を繰り広げた。

重量級の決勝戦では、再々延長戦までいったが決着がつかず、大会初の2頭同時優勝となった。多良間村観光協会長の富盛さんは「角と角がぶつかるたび、会場から歓声があがりました」と話す。同大会には、東京や宮崎など、他県からも観戦に訪れリピーターもいるという。

同大会の会場には山羊との「ふれあいコーナー」が設置され、「鳴き声大会」も同時開催された。多良間村役場の古謝(こじゃ)さんは「山羊になりきった鳴き声に、会場は笑いに包まれていました」と話す。大人の部では観光客が優勝し、会場は多いに盛り上がった。

多良間島では、今後も毎年5月と10月にピンダアース大会を継続開催することで、多良間ピンダのさらなるブランド化と観光振興を図るほか、山羊料理を提供する場や、お土産品の展開により、地域活性化を目指す。

「多良間島では5月頃からダイビングを目的に観光に来る人は多いが、陸地でやるイベントは少なかった。ぜひ宿泊して、ピンダアース大会を楽しんでもらいたい」(多良間島観光協会 富盛さん)。次回、第11回ピンダアース大会は10月に開催予定だ。


【関連サイト】
多良間村観光協会

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