つくろう、島の未来

2024年11月24日 日曜日

つくろう、島の未来

豊島(てしま|香川県小豆郡土庄町)で、瀬戸内国際芸術祭参加者など観光客へ向けた新たな電動二輪車貸出サービスがスタートした。移動体通信網につながる車載機を搭載し、充電状況や位置情報提供など、利用者をリアルタイムにサポートする。
(写真提供:PSソリューションズ株式会社)

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クラウドと連携し利用者をサポート

香川県の豊島で、2016年3月26日より、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)技術を活用した、新しいコンセプトのパーソナルモビリティ貸し出しサービス「瀬戸内カレン」がスタートした。

パーソナルモビリティ(Personal Mobility)とは町中での利用を想定した1~2人乗りの小型電動車や電動二輪などの乗り物で、IoTは通信機能を持った「物」がインターネットでつながり、情報を交換することで相互に制御する仕組みのこと。「瀬戸内カレン」の場合は、電動バイクに搭載した通信端末がソフトバンクの移動体通信網を通じ、バイクの充電状況や位置などの情報をインターネット上に集め、管理者がリアルタイムで利用者を見守ることができる。

電動バイクは、本田技研工業株式会社製作の「EV-neo」。
バイクに取りつけられた通信端末は、エネルギーと位置情報を管理する2つのクラウドサービスと情報を交換している。一つはソフトバンクが開発した充電・認証システム「ユビ電」。充電器にプラグを挿すだけで、どのバイクが、いつ、どこで、どれだけ充電したかの情報がクラウド上に送られる。もう一つは、日本オラクル株式会社が開発したクラウドプラットフォームで、主にバイクの位置情報を管理し、両者が連携してバイクの状態を見守る仕組みになっている。

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「現在は各バイクの利用状況の解析をしているが、この仕組みを活用して、将来的には4輪車などに搭載した端末を通じた観光情報の提供なども行っていきたい」と、サービスを提供するPSソリューションズ株式会社の担当者は語る。定期船などの出発時刻に合わせたナビゲーションや、利用域外への走行に対する警告なども設定可能だ。

「離島は小さなエリアで完結する仕組みをつくって試すことが容易な地域。豊島をモデルケースとし、他の場所でも地域性に合った提案をしていきたい」と担当者は語る。将来的には、国内外の都市などで移動体通信網とつながったパーソナルモビリティ交通インフラの展開も見据えている。

「瀬戸内カレン」概要

利用料金: 3,800円/1日、2,700円/半日
車種:HONDA EV-neo
定員:1名
走行可能距離:34km(豊島全周20km)
必要免許:原動機付自転車免許(普通免許可)
予約:公式サイトより
http://www.setouchi-karen.com/

     

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