つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

電気自動車を導入する島々が増えるなか、完全独立・自立型の小型電気自動車向け充電ステーション「青空コンセント」は、小規模離島でも導入しやすく、非常用電源としても活用可能。大分の離島・姫島(ひめしま)出身の寺下満さんが代表を務めるT・プランが開発した「青空コンセント」について紹介する。

※この記事は『季刊ritokei(リトケイ)』23号(2018年2月発行号)掲載記事になります。

webrito_tplan 甑島に設置している「青空コンセント」の風景。乗用車1台分の駐車スペースがあれば設置できる。(本体価格 4,500,000円〜)

小さな島の暮らしに非常用電源にもなる充電ステーションを

豊かな自然が残る離島地域でも、現代の暮らしに「電気」や「車」は欠かせない。しかし、島々にとってそれらは、都市部よりも供給や維持が難しいものである。

ガソリン価格の高い島々では、レンタカーなどの商用車両を中心に、電気自動車(EV車)や電動バイクを導入する事例が増えているが、「CO2削減による自然環境への配慮」を視野に入れる一方、電気自体が重油を燃料とした火力発電所でまかなわれている島は少なくない。

水力発電で電力をまかなう屋久島(やくしま|鹿児島県)や、地熱発電に力を入れる八丈島(はちじょうじま|東京都)や奥尻島(おくしりとう|北海道)、風力発電を進める長崎や沖縄の島々など、自然特性を生かした発電事業を行う島もあるが、規模が伴わなければ、莫大な建設費や維持費は賄えない。

自然の恵みを活用しながら、小さな島や個人でも導入できる発電システムはないか。そんな問いに「青空コンセント」が答える。姫島で生まれ育ったT・プランの寺下満さんは、「技術で島に貢献したい」という思いをもとに「青空コンセント」を開発。姫島をはじめ、小型EV車を導入する甑島(こしきじま|薩摩川内市)や本土側の各地で導入が進んでいる。

再生可能エネルギーを利用した完全独立・自立型の小型電気自動車向け充電ステーションとして、日本初の技術が詰まる「青空コンセント」には、5枚の太陽光パネルと蓄電池が備わり、晴天時なら1時間あたり1.3kwを発電。超小型EV車(トヨタコムス)なら約6時間の充電で50km走行でき、1機で2〜3台を維持できる。

環境にやさしい電気と車を維持できることもうれしいが、島にとって耳寄りなのは、緊急時の非常用電源としても活用できる点かもしれない。「非常時には約2,000台分のスマートフォンを充電できる」という青空コンセントが1機あれば、台風や災害時の非常用電源が確保できるからだ。

設置は乗用車1台分のスペースに置くだけで完了。基礎工事が不要なほか、商用電力の引き込みや配線も不要で、台風などの強風対策として太陽電池になびき機構を採用している。小さな島はもちろん、島の事業者や個人でも導入しやすい青空コンセントには「エネルギーの地産地消と地域活性化を進めたい」という寺下さんの願いが込められている。

<お問い合わせ先>

T・プラン株式会社 開発事業部「青空コンセント」担当部署
大分県中津市牛神362-1
URL:http://www.tplan0301.com/
TEL:0979-53-8880
MAIL:info@tplan0301.com

広告特集|島づくりソリューションについて

「島の暮らしをより良くしたい」「人口減少を止めたい」「産業を元気にしたい」−−。そうした「島づくり」の希望を叶える一助になるかもしれない、ソリューション(問題解決策)や島々で実施されている取り組みをご紹介。掲載内容についてのお問い合わせは、各ページのお問い合わせ先または離島経済新聞社までご連絡ください。(制作・離島経済新聞社広告企画制作チーム)

     

離島経済新聞 目次

『季刊ritokei(リトケイ)』23号 「島づくり」特集連動記事

現在、日本では「東京一極集中」「消滅可能性地域」「地方創生」といった言葉が踊り、離島地域に限らずさまざまな地域で振興策が促されている。そこで『季刊リトケイ』23号では島々の地域振興事情を特集。それぞれの島で人々が健やかに暮らしていくためには、どんな考えを持ち、何を実行すべきか。読者・有識者・島づくりの実践者の声をもとに、愛する島の未来を築く島づくりのヒントを集めました。特集記事はじめ紙面にて紹介した記事のノーカット版等を、有人離島専門ウェブメディア『離島経済新聞』にて公開しています。

関連する記事

ritokei特集