つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

2016年7月、宮城県北部にある大島(おおしま|気仙沼市)と本土を結ぶ「気仙沼大島大橋」を建設する、大島架橋事業のアーチ橋本体の組み立て工事が開始され、島と本土を結ぶ姿が少しずつ見えてきた。橋の完成予定は2018年度。架橋後は陸路移動の実現により交通時間が短縮され、医療・災害の安全確保、物流コストの低減、観光客の増加、生活の利便性向上などが期待される。

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東日本大震災を契機に陸路移動の重要性を再認識

大島の渡航フェリーは毎時1便。本土から大島に渡る最終便の出航時間は19時00分で、以降は夜間通行船が走る。夜間通行船は定期券が利用できないため本土勤務の市民には、最終便の時刻に合わせて働く人も多い。また、日用品や食料品などの購入も帰路のフェリー時刻を気に留めねばならいため、以前から架橋の要望があった。加えて、2011年の東日本大震災により本土に陸路で移動できる橋の重要性が再認識され、県が2011年度に「大島架橋事業」を着手した。

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「大島架橋事業」は、大島の浦の浜から本土の国道45号までをつなぐ全長約8キロの一般県道「大島浪板線」を新設する大規模事業。工事自体は2012年度から開始され、現在、大島の磯草地区と本土の三ノ浜地区に架けるアーチ橋本体の工事開始に至った。

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完成イメージ

同事業を担当する気仙沼土木事務所大島架橋建設班技術次長の小野栄さんは「今、災害復興関連工事は他にも進んでいますが、この架橋工事には特に市民からの期待が集まっているため、やりがいを感じています」と話す。

2014年11月には橋と県道の愛称を一般公募。気仙沼大島大橋は「鶴亀大橋」、大島浪板線は「気仙沼大島龍宮海道」に決まった。今後、市民から愛され、生活を守る橋となることが期待される。


【関連サイト】
宮城県「大島架橋事業」ページ

     

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