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【島Topics】「生鮮食品が買えない島」の課題をクリアする移動販売車「ゆーとぴや号」

山口県周南市南西の沖合いに浮かぶ大津島(おおつしま|山口県)で、この春、移動販売車「ゆーとぴや号」の運行がスタートした。生鮮食品の買い物に不自由していた島の高齢者らの買い物支援はもちろん、交流促進や、見守りにつながると期待されている。(写真提供:大津島地区コミュニティ協議会)

移動販売車「ゆーとぴや号」と、左から周南ツーリズム協会 藤井理事長、大津島地区コミュニティ推進協議会 安達会長、ゆーとぴや号 販売スタッフ

高齢者が多い島の買い物負担を軽減

大津島は、山口県周南市の徳山港から約14キロメートルに位置し、1日7便運航するフェリーと旅客船で結ばれている。4.73平方キロメートルの島内に点在する7つの集落に約280人が暮らしており、そのうち65歳以上が8割を占めている。

島内にはJA周南が運営する購買店が営業しているが、肉や魚、野菜などの生鮮食料品の取り扱いはない。そのため住民の多くは、日常の食料品購入のためにフェリーで徳山港へ渡り、買い物をしている。片道30分のフェリー運賃は往復で1,420円に上り、車両運搬を含めると軽自動車でも往復6,980円となる。大きな野菜や牛乳などをまとめ買いすると重量もかさむため、費用はもちろん体力面でも、買い物に係る負担が住民らに重たくのし掛かっていた。

そこで、大津島地区コミュニティ協議会は、住民らの買い物負担軽減を目的に2015年から移動販売車導入の検討をはじめた。

周南市内の本土側では、買い物に不便な市内の中山間地に向けて、周南ツーリズム協会が運営する道の駅「ソレーネ周南」の移動販売車「ゆーとぴや号」が運行していた。

そこで、大津島地区コミュニティ協議会は周南ツーリズム協会へ協力を要請。「ゆーとぴや号」の大津島運行を実現するにあたり、大津島へ渡るカーフェーリーの車両運搬費などを周南市が協議会に交付して賄うことで「ゆーとぴや号」の大津島運行が実現した。

大津島地区コミュニティ協議会の神杉朋史さんは、「移動販売車を島へ渡す運賃を負担することで、市内の中山間地と同等の条件で移動販売車を運行していただけるようにしました。島内の農協で販売している米や卵以外の、牛乳や野菜など生鮮食品の販売をお願いしています」と話す。

アイスクリームも買えるように

毎週水曜日朝、生鮮食品や弁当を積んだ「ゆーとぴや号」がカーフェーリーで海を渡り大津島にやってくる。島の半分の3集落を巡回し、港で移動販売を終えると、午後の船で帰っていく。翌週はもう半分の3集落と港を巡回する。港には毎週移動販売車が停まるため、巡回販売のスタート地点を港から最も遠い集落とし、品薄などの不公平感が出ないよう工夫している。

道の駅「ソレーネ周南」が運営する「ゆーとぴや号」には、周南市周辺の生産者による旬の野菜や、山口県立農業大学の学生がつくる果物、近海で獲れた魚などを積載。車両は冷蔵冷凍設備付きのため、これまで島で買うことができなかったアイスクリームも買えるようになり、住民らに喜ばれているという。

移動販売車「ゆーとぴや号」での販売の様子

「『ゆーとぴや号』の運行が始まってから、買い物の負担を削減できただけでなく、島内でもバラエティに富んだ食材を入手しやすくなりました。『これがなくなってしまうと困るから、どんどん買うよ』と応援してくれている方も多いです。道の駅からも、『島は市内の中山間地域と比べても売上が良い』と喜ばれています」(神杉さん)。

大津島地区コミュニティ協議会、道の駅「ソレーネ周南」、周南市が連携することで、島の人たちの暮らしが大きく変わった。移動販売車の導入は、高齢者の多い住民の交流の場や見守り活動にもつながるものと期待されている。

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