つくろう、島の未来

2020年02月22日 土曜日

島を愛する人のなかには「いつか、すべての島をめぐりたい」という夢を抱く人もいるだろう。しかし、日本は広く、島の数は果てしない。一生をかけて歩いても、辿り着けないかもしれない島の世界。

せめてページをめくり、その様子だけでも伺えたら……という夢を叶えてくれる、日本で最も島に詳しい島ガイド『SHIMADAS (シマダス)』が2019年11月22日に、15年ぶりに帰ってきた。

リトケイ編集部は我が師として仰ぐシマダス発行を祝し、発行元である公益財団法人日本離島センター(※)のシマダス編集部を訪ね、新版シマダスについて話を聞いた。

※この記事は『ritokei』30号(2019年11月発行号)掲載記事です。

シマダス編集部・森田さん(右)と佐伯さん

シマダス編集部・森田朋有さん(右)と佐伯直樹さん

ritokei

新版シマダスの発行おめでとうございます。今回は改めてシマダスについて教えてください。

シマダス

もともとは、日本離島センターの会員市町村向けに、1993年6月に創刊したのが始まりです。当時はインターネットもない時代でしたから、離島関係市町村がそれぞれどんな地域資源を持ち、どんな振興事業をしているか、情報共有する目的で作りました。1,000 部を作って半分を会員市町村などに寄贈し、残りすべてを販売したところ、新聞などに取り上げていただいたこともあり1 日ですべて売れてしまいました。創刊から、1995 年までは毎年発行していました。

ritokei

毎年発行されていたんですね。

シマダス

シマダスの意味が「SHIMA(島) Data(情報) Annual(年次) Series(シリーズ)」の頭文字だったので。けれども96年以降は毎年の発行が難しくなり、1998年、2004年と不定期で発行し今回が6冊目になります。

積み上げると圧巻の歴代シマダス。初版から3冊は電話帳サイズだった

ritokei

新旧のシマダスを比較しても面白いですが、最新のシマダスには何島分の情報が掲載されているんですか?

シマダス

約1,750島です。創刊号はなかば業務資料として作っていたので、掲載する島は離島振興法などの対象有人離島に限っていました。しかしそうすると、対象離島ではなかった小豆島や厳島などが掲載できなかったため、人が住む島はすべて載せていこうという方針で、順次増やしていきました。

ritokei

2004年の前版よりも600島増えているとのこと。有人島以外の島はどういう基準で選ばれているんですか?

シマダス

簡単に言えば、書くべきことのある島です。海上保安庁が出している6,847島という数字があります。その数に近づけていこうと無人島も含めて調べていった結果、1,750島になりました。

ritokei

ページ数は1,712ページ。島事典と呼ぶにふさわしい厚さですが、制作のご苦労を想像すると気が遠くなりそうです。

シマダス

創刊号は真っ白な状態から作り始めました。まずは調査票を作り、関係市町村の担当者に手書きで原稿や地図を描いてもらい、集まったデータを本の体裁に整えていきました。今回は、2004年版のシマダスの項目を基本に、新聞や書籍、文献などから情報を集めて補足・更新しています。実際に現地で得た情報も裏をとった上で追加しています。インターネット上の情報を鵜呑みにすることはなく、公的な情報やそれに準ずる信頼に足りる情報をもとに確認票を作成し、関係する市町村などに確認してもらっています。

ritokei

リトケイが取材を行う時も、離島振興法対象離島ではない本土と橋で繋がっているような島には「うちは離島?」といわれることもあります。

シマダス

もちろんあります。客観的に見たら島だけど、地元の人は島でないと思っている島もあるので、取り上げる際には配慮が必要でした。

ritokei

私たちは新版シマダスを穴があくほど参考にさせていただきたいと考えておりますが、これまでのシマダスから特に進化したポイントがあれば教えてください。

シマダス

大きく変わったのは、地図ですね。有人島の地図には段彩がつき、地形がわかりやすくなりました。必要に応じて拡大図も載せています。また、巻末に島の広域図を収録しており、等高線だけでなく海の深さを示す等深線も掲載しています。100メートルよりも浅い瀬戸内海では難しいですが、例えば伊豆・小笠原の島々は、深い海底から立ち上がった山の山頂に島があるようなことが見て取れます。「島と海の地図」という側面でも楽しんでもらえるかもしれません。

1,712ページに及ぶ膨大な情報を一冊に収めるため用紙も特注とのこと

ritokei

地図好きにはたまりませんね。

シマダス

無人島についても地図を掲載し、できる限り写真を増やしました。無人島の写真となると市町村もあまり保有しておらず、さまざまな方に提供のご協力をいただきました。

ritokei

島々との連携とシマダス編集部の蓄積によって完成できた一冊というわけですね。1日1ページ読んでも4年かかるボリューム。じっくりと楽しませていただきます。


(※)公益財団法人日本離島センター
昭和41年、離島振興推進にあたっての拠点組織として、全国離島振興協議会を母体に設立された公益法人。離島の自主的・創造的な振興活動の推進、支援に関する事業などを行っている。
シマダス表紙

新版 日本の島ガイド『SHIMADAS(シマダス)』
(4,000円+税/公益財団法人日本離島センター)
北海道から沖縄県まで、全国1,750の島々を紹介する島の総合ガイド。「人口・面積」「島への交通」「プロフィール」といった基本データ、「みどころ」「特産物」「やど」などの観光情報、「祭祀・伝承」「学校」「医療」などの生活情報を島ごとに紹介。巻頭にフルカラー写真、巻末には索引図も収録。

購入はインターネットまたは書店にて

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