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【島News】離島地域の「足」となれるか。長崎大の学生が超小型の電動三輪バイク開発

長崎大学の学生チームが、離島地域に住む高齢者向けに小型電動三輪バイクを開発。「学生ものづくり・アイディア展」で最優秀賞を受賞した。長崎県が五島列島を中心に進めている地産エネルギーの活用も想定している。

エネルギーの地産地消に対応

長崎大学の学生チームによる三輪バイク型の「離島用超小型電動モビリティの開発」が2016年12月、富山大学で開かれた「第14回学生ものづくり・アイディア展」で最優秀賞を受賞した。同展は長崎大学、富山大学、新潟大学の学生がコンテスト形式でそれぞれのテーマを競い合うイベントで、今年度は長崎大学が2テーマ、富山大学が17テーマ、新潟大学が11テーマを出展していた。

同モビリティを出展したのは長崎大学大学院工学研究科1年の平山恒輝さん、同大工学部1年の三小田大樹さん、阿部蒼也さん、八木勇成さん。学部や学年が異なりながらも意欲のある4人がチームになったのは、同大の学内コンテスト「創成プロジェクト」に参加したことがきっかけだった。実際の開発には同大大学院の坂口大作教授ら3人の教職員がアドバイザーになり、地元企業の信栄工業有限会社が部品調達や技術面などで支援した。

4人が同テーマを選んだ背景のひとつに、長崎県が五島列島を中心として推進する「エネルギーの地産地消」の取り組みがあり、同大でも開発協力をしてきた。地産地消の代表的なものにはエネルギーを「つくる」太陽光発電や洋上風力発電、潮流発電など大規模なプロジェクトがあり、「貯める」ための家庭用蓄電池などの構想や、電気自動車などを導入して貯めたエネルギーを「消費する」構想も進んでいる。

一方、本土と直接の交通手段がない五島列島などの2次離島では、電気自動車を自由に動かせるほど道幅が広くなく、未舗装路も多い。急速に少子高齢化が進み、1~2人乗りで動かせる小型の乗り物が求められていたことから、離島地域で生活する高齢者でも気軽に使える輸送機器の開発を目指した。また、一般家庭で導入しやすい安価なもので、いずれは県内の企業が製造できる仕様にする意図もあった。

安定性が高く、狭い道でも小回りのきく電動三輪車

完成した離島用超小型電動モビリティ

同モビリティのコンセプトは「安定性が高く」「狭い道でもスイスイ進み」「小回りがきく」車体であること。そこで車体は軽量・頑丈な原動機付自転車のフレームを再利用したコンパクトな三輪車とし、より小さい最小回転半径を持たせるために、ハンドルとフレームの2カ所に旋回軸を設けた。このことで、一般的な自転車やバイクのハンドルの切れ角である50度よりもさらに大きい約65度の切れ角を持たせることに成功した。車体は後退も可能で、後退中は安全のためブザーが鳴る仕組みになっている。

完成した同モビリティは、昨年11月に開かれた創成プロジェクトの最終成果発表会で2位に選出され、同アイディア展への参加を決めた。いわば「本戦」にあたるアイディア展では、ほかの29テーマを上回り最優秀賞を受賞した。

坂口教授は「学生たちは誰かから指示を受けず、自分たちでコンセプトを決めてやり遂げた結果が周囲に受け入れられた。初めてのことで不安が大きかったと思うが、大きな喜びと達成感があったのでは」と振り返り、「地域の特性に合った形でエネルギーを使おうとするのは、離島にとってもいい有意義なこと。学生の若い力を活かした開発がひとつのモデルとなり、周囲に広がっていけば」と話した。

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