つくろう、島の未来

2024年11月23日 土曜日

つくろう、島の未来

鹿児島県の離島・口永良部島(屋久島町)では、留学生を募集しています。口永良部教育振興推進協議会事務局からのご案内です。(2019年度の募集は終了しました)

はじめまして、鹿児島県の離島・口永良部島(くちのえらぶじま)です。口永良部島では小学1年生から中学3年生を対象にした、山海留学の参加者を募集しています。

屋久島から船で渡る口永良部島は、まさに離島のなかの離島。ワイルドな自然があり、約110人の島民が家族のように暮らしている島で過ごす1年間には、都会では体験できない学びがいっぱい詰まっています。

あなたも人生の宝物を見つけに口永良部島に来ませんか?

口永良部島について

屋久島の北西12kmに浮かぶひょうたん型の島。魚釣りを楽しめる豊かな海と、活火山のあるダイナミックな自然のもと、約120人の島民が暮らしています。1日1便の屋久島町営船(1時間40分)で渡ることができます。アクセス情報は、屋久島町HPより「フェリー太陽」の運行状況をご覧ください。

島で子どもを育てるお母さんたちの体験談

口永良部島の留学について知っていただけるよう、ここではお子さまを留学に出された親御さんや、島のお母さんのコメントを紹介します。

「行ってみたい」という子どもの気持ちを尊重しました

増永みどりさん(3人兄弟の長女、長男が山海留学経験。末っ子も留学を希望中)

長女が小学6年生の頃に1年留学し、現在は弟が留学中です。きっかけは新聞に載っていた募集要項を見つけた娘が「行ってみたい」と言い出したことでした。

娘は外国に興味がありましたが、小学生のうちから海外留学には行けないので山海留学に惹かれたのかもしれません。

最初は聞き流していたところ何度か言われたので、気持ちの大きさを感じ、父親と娘がふたりで島に見にいき、留学することになりました。

山海留学に行かせることを周囲に伝えると、学校の先生やお友達のお母さんは目を丸くされましたし、反対はもちろん、育児放棄ともいわれることがありました。

私自身にも不安はありましたが、一番大事なのは本人の気持ち。3人兄弟の一番上で、わがままも聞いてあげてやれなかった娘への申し訳なさもあったので、本人の意思を大事にしました。

近隣には種子島など有名な山海留学もあったので「そっちはどうなの?」というと、娘は「もっと大きな自然がいい、とにかく不便なところで生活してみたい」と言い口永良部島を選びました。実際、地元とは真逆になる生活はすごく心地よかったようで、周りの人は家族同然で声をかけてくれ、お友達とも密なおつきあいができたようです。

2015年に噴火があったので一度は自宅に戻しましたが、本人が「帰りたい」というので結局すぐに島へ戻り、島の皆さんと屋久島で半年間ほど避難生活をしました。避難生活中にお世話になるのは里親さんにも迷惑がかかると思ったのですが、里親さんも本人の気持ちを大事にしてくれたため、避難中もお世話になることができました。

血はつながっていないけど、しっかりとした信頼関係があり、噴火が起きたことで余計にそれが見出されたのかもしれません。

留学生活ではときどき友達と喧嘩をするなど嫌なこともあったようですが、それも含めて島のことは好きなようです。

将来、社会人になっても嫌なことがあったり、合わない人がいたりしますが、そんなときに自分はどうしたいのか、どうなりたいのかという意思をしっかり持っていれば、振り回されない人間になれると思います。そういった意味でも、山海留学は大事な経験になったと感じています。

娘に続き弟も「僕も行きたい」といって留学に行き、2年目に入りました。実は1年目の秋に転んで骨折してしまい、島には病院がなくご迷惑をかけてしまうので、怪我が治るまでの1ヶ月間ほど地元に戻したんです。でも彼は島の生活をすごく気に入っているので、怪我が治ったら「島に帰りたい」といってすぐに戻っていきました。

1ヶ月間、地元に帰ってきている間は、海外駐在から帰ってきた人が夏休みを利用して地元の学校に通わせるような制度があるので、地元の学校に通わせることができ、勉強もとぎれることなくさせてあげられました。

もうひとり、4年生になる女の子も最近「私も留学に行く」と言い出しているので、申し込みをして5年生から行かせてあげようと思っています。

「やり残したことがあるから」と次男は自ら留学をリピート

山田由紀子さん(長男、次男、長女が山海留学を体験)

4人の子どものうち3人が口永良部島の山海留学へ行きました。きっかけは新聞に載っていた募集広告です。山海留学という言葉にわくわくして、あちこち山海留学を調べたんですが、150人(当時)が暮らしている口永良部島の生活ってどういうものだろうと興味を持ち、当時小学2年生だった次男と夫が島を見に行くことにしました。

そこで泊まった民宿が、実際に留学でお世話になる里親さんの実家で、おじいちゃんおばあちゃんがいて、子どもたちも集まってきて、みんなでわいわい夕食をいただきました。

島で海を見たり、果物を採って食べたりしているうちに「こういうのもいいかな」と思って帰ると、息子も「俺、あそこにいくわ」というので、長男も誘って兄弟2人を留学に出しました。

留学は1年のはずでしたが、次男は「やり残したことがあるから」と1年延長。さらに中学2年の夏休みに兄と久しぶりに島を訪ねた彼は、親友のお母さんに「またこっちへ来ない?」と声をかけていただき、再び留学して中学卒業までお世話になりました。

最初に留学した頃はまだ島の火山は休火山状態で、みんなで山にのぼって火山の蒸気で温泉卵をつくって食べたりしていました。その後、噴火した後に次男を留学に出すときは多少心配をしましたが、島のみなさんは相変わらず住まわれているし、島のみなさんに習っていれば大丈夫だと思いました。

今年の春、留学を終えた次男を迎えに行くため、最後だからと家族全員で島に行くと、今度は中学2年になる長女も「私も行きたい」と言いはじめたので、結局、長女もお世話になることになりました。「今しかない」と思ったんでしょうね。子どもたちがお世話になったご家庭にはとても良くしてくださり、島の人も温かく迎えてくださいました。

都会では体験できない大事な時間を親子で共有できます

貴舩恭子さん(口永良部島在住。島のお母さん)

人口約110人という小さな島の生活を想像出来ますか?島の人は皆が知り合いだから、子どもたちはすれちがう人や車に必ず挨拶するのが当たり前。挨拶の出来ない子は島の人にしかられるぐらいです。

一日一便の船が唯一の交通手段という不便もあり、島の人は普段から互いに助け合って暮らしています。島の方から野菜や魚を分けていただいたくことも多いので、食卓を囲む時には「これは〇〇さんからいただいたお野菜だよ」という話もします。

これはとても大切なことで、ただ漠然と「食べ物に感謝しなさい」と教えるのではなく、具体的に「○○さんが大切に育てたお野菜」だからと思い浮かべながら「ありがとう」の気持ちを持ち、「いただきます」の意味をきちんと理解することができるのです。

良いところを挙げるときりがありませんが、この島の生活では、人間として生きていくうえで大切なことに気づけることではないかと思います。

口永良部島と聞くと、噴火のニュースで聞いたことがあるという方も多いでしょう。私達は普段から助け合って暮らしているので、噴火の際にも互いに連絡し合いスムーズに避難をすることが出来ました。日本は噴火に限らず、地震などの自然災害がいつどこで何が起こるか分かりません。だからこそ、島では防災意識を持ちながら暮らすということや、いざという時の行動についても学んでほしいと思います。

子どもたちは学校生活の他に四季折々の地域行事に参加します。伝統芸能である「棒踊り(男)」と「日の本踊り(女)」のほか、「十五夜の綱引き」「餅つき」「鬼火焚き」など、どの行事も地域の人と一緒に参加し、時には戦力となること。そんな中で、子どもたちはさまざまな経験を積むことが出来ます。

島の学校は少人数のため、一人一人にあった丁寧な指導をしてくださいます。留学期間は1年で延長も可能ですが、できれば親子で留学に来ていただき、親御さんにも島生活を堪能していただきたいと思います。きっと都会の暮らしでは持ちづらい大切な時間を親子で共有できると思います。

留学生の募集チラシにも子どもたちや卒業生からのメッセージが詰まっています

都会にないものがある島・口永良部島で、人生の宝物を見つけませんか?

口永良部島の離島留学詳細(2019年度の募集は終了しました)

【名称】南海ひょうたん島留学
【学校名】屋久島町立金岳小学校・金岳中学校
【開始年度】平成8年度
【生徒数】小学生5人/中学生6人(2018年11月現在)
【募集対象】小学生:全国の小1~小6、中学生:全国の中1~中3
【期間】1年間(継続可)
【受け入れ】親子型・里親型・孫戻し型 
【定員】若干名
【募集】第1次:平成30年8月〜11月末日(定員に満たない場合は平成30年12月〜平成31年1月末実にかけて第2次募集を実施)
【選考方法】受け入れできる里親・町営住宅に限りがあるため面談のうえ選考
【費用】小学生は月額7万円、中学生は月額8万円(里親型)
【助成】第1子3万円、第2子以降1万円/月の助成金があります
【助成】親子型希望者は町営住宅または定住促進住宅へ入居いただけます(月額1万円〜)。町営住宅・定住促進住宅の詳細は屋久島町企画調整課(TEL:0997-43-5900/内線111)にお問い合わせください
【その他】応募前に一度、島に足を運んでいただくことが条件となります

詳細は屋久島町HPから「屋久島町山海留学生募集」に関する資料をご確認下さい。
http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/info-living/17355/

お問い合わせ窓口

口永良部島「南海ひょうたん島留学」についての詳細は下記の窓口までお問い合わせください

鹿児島県熊毛郡屋久島町口永良部島372
口永良部教育振興推進協議会事務局(本村区公民館内)
0997-49-2100(屋久島町役場口永良部島出張所)

     

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