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レポート

【島Report】知っているようで知らない「船長」が先生に。東海汽船船長が利島で講話

東京の島・利島(としま|東京都利島村)。島に暮らす約300人の生活は、東京・竹芝桟橋〜伊豆諸島を結ぶ、東海汽船株式会社(東京都港区)の大型客船や高速ジェット船に支えられている。4月14日、全校31人の利島村立利島小中学校で、利島を含む東京〜大島〜神津島航路に就航する大型客船「さるびあ丸」の和田大治船長による講話が行われた。

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伊豆諸島で初の船長講話

利島小中学校が取り組む「ふるさと学習」は、子どもたちにとってふるさとである利島を、さまざまな角度から学ぼうという総合学習だ。

子どもたちにとって、東海汽船の船は親しみ深い存在。しかし、船長による講話は、船の運航スケジュール等の調整が難しいため、伊豆諸島内では行われてこなかった。

そんな中、今回の講話は東海汽船が各島で定期実施している、島内関係者との意見交換会の場を活用することで実現。船長や乗組員らが島を訪れるせっかくの機会に何かできることはないかと、利島側の関係者が企画した。

周囲を海に囲まれた島々にとって、島と島、島と本土を結ぶ船は、貴重な生活航路である。特に利島の場合は、滑走路をつくれるような平地が少なく、空の輸送手段はヘリコプターのみ。たくさんの人や物を運べる船は、大切なライフラインだ。

しかし実際には、その担い手である船長や乗組員らが、島に降り立つ機会は少なく、住民との交流機会も少ないという。

そのため「船長」も、子どもたちにとっては未知の存在。どんな仕事をしているのか? どんな人なのか? 好奇心でいっぱいの子どもたちに向けて、授業がはじまった。

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自分たちが暮らす島について、知る、考えるきっかけに

船長による講話は、子どもたちからの質問に答えながら進行。「具体的に船長はどんな仕事をするのですか?」「今までで一番大変だったことは何ですか?」という仕事に関する内容から、「休みの日には何をしていますか」といったプライベートな内容まで、約50個にも及ぶ質問に、和田船長は丁寧に回答していった。

船長の回答には、利島の港には湾がなく、桟橋が外洋に突き出ているため、船が潮の流れや風の影響を受けやすいということや、若い頃はマグロ漁船で働いていたこと。2014年3月に起きた貨物船とコンテナ船の衝突事故に、当時船長を務めていた客船・かめりあ丸がたまたま居合わせ、人命救助を行ったエピソードなど。普段はなかなか聞くことのできない話に、子どもだけでなく、先生方も真剣に聞き入っていた。

お話のあとには、全員で和田船長へお礼の歌を披露し、集合写真を撮影。笑顔の絶えない、アットホームな授業となった。

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授業を振り返り、和田船長は「こういう交流の場を通じて、船に乗りたい、船長になりたいと思ってもらいたいし、同時に生活航路である船という存在から、自分たちが暮らす島について、知る、考えるきっかけになってくれたら。自分が乗船している時に、今回の授業で出会った子どもたちが声を掛けてくれたり、手を振ってくれたらうれしいですね」と話した。

実際に、授業のなかでは、中学生から「どうすれば船長になれるのですか」という質問も飛び出していた。子どもたちにとっては、自分の島を学ぶ地域学習としてだけでなく、将来なりたい職業の選択の幅を広げる貴重な経験になったのではないだろうか。

離島地域にとって、船は最も身近な存在であるだけに、こうした取り組みが今後も行われていくよう期待したい。

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