つくろう、島の未来

2021年04月13日 火曜日

神集島で廃校になった小学校を利活用するプロジェクトが進行中だ。7月18日に開催されたイベント「島ピクニックin神集島」の様子とともにプロジェクトについて運営メンバーに話しを聞いた。

■郷土料理を味わうほか、島民によるガイドツアーも実施

7月18日、神集島(佐賀県唐津市)にて、廃校になった神集島小学校を会場に島のお母さんの手料理を食べるイベント「島ピクニックin神集島」が開催。九州大学田北雅裕研究室と島の住民、島に縁のある人々による「神集島まちづくり研究室(以下、まちケン)」のメンバーが企画したイベントだ。

まちケンは、九州大学田北雅裕研究室が廃校になった神集島小学校の利活用を、唐津市から依頼されたことをきっかけに発足。今後、国の財政難が進行するとみられるなか、補助金を利用せずに島に関わる人の力で継続できる事業をつくることを目的にしている。

「島ピクニック」は、昨年7月19日、20日に開催した第1回目に続き、今回で2回目の開催。神集島で事業を起こすためのステップとして企画された。イベントでは、島に住む40〜70代のお母さん約10名が調理を担当し、郷土料理や海鮮料理を振る舞った。また飲食のほか、島民による神集島ガイドツアーが行われ、参加者は食と地域を体験した。

まちケンのメンバーであり、島ピクニックを運営する藤田耕輔さんは今回の島ピクニックを「島の方と楽しみながら、無事にイベントを終えることができた。神集島定食はもちろん、今回からの新しい企画、ガイドツアーと遊覧船も好評。課題もあったが、島の方と共有して次回以降に活かしたい」と振り返る。

参加者は200名以上、60代と70代が多かった。また約1割は前回の参加者で、「リピーターがいて、嬉しかった」(藤田さん)。「山笠を曳くことができ、子どもと一緒に楽しみました」「神集島定食が抜群においしかった」といった参加者の感想が集まった。

現在、藤田さんは九州大学田北雅裕研究室の学生。まちケンの活動開始を機に、神集島に移住した。「廃校の利活用について話し合いが終わったとき、『あとは島のみなさんにおまかせ』ではいられなかった」と移住理由を話す。「話し合いには参加できなくても、小学校の清掃には参加してくれる方など、神集島の人はこの取り組みを応援してくれる。そこに可能性を感じた」と語る。

まちケンでは今後、今回の「島ピクニック」で販売した、特産品の石割豆腐から取れる豆乳を使ったジャム「石割豆腐の生ジャム」や羊羹「石割豆腐の生ようかん」を製造し、新しい特産品を生むプロジェクトに取り組んでいく。また、地域の高校生と一緒に神集島の仕事を調査するプロジェクトも行う予定だ。

藤田さんは、「神集島の人口は60年前が約1,200人で、現在は約400人。単純計算できることではないが、このままでは30年後に島で生活できる状態が維持できなくなる。集落として生きていくために、今からでも活動を始めることが必要」と言う。そして、「島外の人が『うらやましい』と思うような離島ならでは営みを育みたい」と目標を語った。


【関連サイト】
神集島まちづくり研究室Facebookページ

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