つくろう、島の未来

2020年10月29日 木曜日

離島経済新聞社は、10月22日に10周年を迎えます。
10年間の感謝を込めて、10月22日(木)夜に全国の島々のゲストと中継をつなぎ、音楽ライブやトークをお楽しみいただくオンライン生配信イベント「シマナイト ON LINE」を開催します。(※)。

※TwitCasting(ツイキャス)有料配信。生配信終了後、録画再生可能

ここでは、2012年に創刊した『季刊ritokei』のバックナンバーより、シマナイトのゲストが登場した記事をWEB上で特別に掲載。第2回は、小豆島(しょうどしま|香川県)で醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナーとして活躍する黒島慶子さんへのインタビュー、2012年1月『季刊ritokei』1号「逢いたい島人」企画をお届けします。

けりぃが想う、島とこれから

国内にある約430島の有人島は、2055年には1割が無人化するとも言われています。『季刊リトケイ』を発行する離島経済新聞社の目的は、島を未来につなぐこと。それを可能にするのは、実際に島で活躍する若い島人であるはず。
2012年が明けた1月1日、鯨本(いさもと)編集長は小豆島(しょうどしま|香川県)を訪れ、島で活躍する黒島慶子さん(通称けりぃ)に、島への想いや活動について伺いました。
(文・鯨本あつこ/取材協力・mameco)

※インタビューは、すべて『季刊ritokei』vol.1(2012年1月発行)掲載時のものになります

「お醤油やオリーブにやたら詳しい女の子」やっています。

鯨本:

小豆島で生まれ育ち、島で活躍しているけりぃちゃんですが、主にどんな活動をしているのでしょう。

けりぃ:

情報デザイナーとして、さまざまな活動に関わらせてもらっています。具体的には執筆やセミナー、島の第3次産業の企画立案のほか、マスコミや島外の方とのマッチングを行っていて、活動の一部として「小豆島ガール」の運営に携わらせていただいています。

また、お醤油とオリーブのソムリエとしては「お醤油やオリーブにやたら詳しい女の子がいる」という立場で、黒島慶子に聞いたら、島のことも醤油のこともオリーブのことも何でも分かります、という風になったらなと思っています。

鯨本:

島だとコミュニティが小さいので目立ちそうですね。

けりぃ:

子どもの頃、島だと色んなことを言われがちなので、それが嫌で高校から島を出ていたんですが、美術大学に通っていたことで「変」と言われることが褒め言葉と思えるようになったので、今では仮に変と言われても「しめしめ」と(笑)。

実際、キャラクターに興味を持ってもらえるおかげで「この子おもしろいから」と何かしらの機会に呼んでいただけることもあって、色んなご縁にも恵まれています。

島の活性化といっても、結局は島がきちんと儲けられないと。

鯨本:

「情報デザイナー」とは具体的にどんなことをしているんですか?

けりぃ:

大学卒業後、WEBやグラフィックのデザインを6年ほど続けてきました。島では「商品が売れるにはどうしたらいい?」と相談されることもあるんですが、例えば島の商品をデザインするとしてパッケージを変えて売れることがあっても一時的なことが多いんです。

それよりももっと「島の未来」をどうするかを考えたい。企業のブランディングでも、島の産業の状況をしっかり知ったうえでやらなければと思っています。島の活性化といっても、結局は一人ひとりが事業を継続していくためには、きちんと儲けていくことが大切ですよね。

鯨本:

そうなんです。昨年末、とあるキッカケでけりぃちゃんと出会って、どうしても改めてお話が聞きたいと思った訳ですが、そのときの話題で何より共感したのが「島は儲けんといかん」ということでしたね。

けりぃ:

良いものはつくれても、その「情報」をうまく発信できる人は少ないように感じています。だから、私に求められているのは、情報で島の産業をつなげていくことなんじゃないかと。

島外の方に聞いたお話ですが、小豆島のあるお醤油屋さんに「どこのお醤油がおいしいですか?」と尋ねると、どなたも「うちのが一番」とおっしゃるので、実際にはどれを選んでよいのか分からないそうです。だからこの島の醤油とオリーブのことは、私からきちんと伝えられたらいいなと思っています。

鯨本:

確かに、ものはつくれても伝えるのが苦手というのは色んな島で耳にします。だから最近は島には外の人ときちんと話ができる「貿易係」のような存在も大事なのかなと感じていました。小豆島だと、けりぃちゃんがまさにそうなのかなと。

けりぃ:

島のことを伝えるにしても、ソムリエとして伝えるには、特定の業者さんだけをおすすめすることはなく、あくまで第三者の目線で伝えます。最近はテレビや雑誌などのメディアの方に、「けりぃちゃんがいてよかった!」と言ってもらえることも多くなりました。

私は島のオリーブ農家やお醤油屋さんのお話を聞くことが多くて、そういう時間が大好きなんですが、島の産業について、時には涙を浮かべながら熱く語ってくださることがあって。そういうお話を聞くと「伝えないかん!」と思わずにいれなくて、それが私の原動力になっている気がします。

鯨本:

それはすごく分かります。私も前に、リトケイを辞めてしまおうかと思うほど大変な時期があったんですが、そんなとき、島のために一生懸命がんばっている若者から「島を扱ってくれて嬉しい。自分もがんばる」というようなメールをいただいて、これは辞めるわけにはいかんと思ったことが、続けてこれた理由かもしれません。

「おもしろい」と思って自信と誇りを持ってやることが大事ですよね。

けりぃ:

小豆島には第2次産業があっていいね、とよく言われるけど、「ある」だけじゃ意味がないんです。産業は未来のタネだと思っていて、この島の産業をつなげることによって、島が儲かる仕組みを作りたいんです。

私はデザイナーであったり、ソムリエであったりしますが、これらは全部ツールだと思っています。色んなことをしている分、さまざまな活動に参加させていただけているので、このツールを活かしてきちんとお金を生み出す仕組みをつくりたいんです。

鯨本:

心強いです。もともとリトケイは島の情報があまりに検索しにくいものだったので、島情報をまとめられるような場所をつくれたらと思って始まったのですが、実際に島をつないでいく主役は島に暮らす人で、その方々がやるべき分野には立ち入らないようにしたいと思うから、やっぱりけりぃちゃんのような方がいることが島にとって何より重要なことだと思います。

けりぃ:

そして何より一番は、「おもしろい」と思ってやっていること。自信と誇りを持ってやることが大事ですよね。

【話を聞いた人】
けりぃ

醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー
小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、さまざまな人やコトを結びつけ続ける。2017年7月6日に、愛知県の幡豆(はず)で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を作る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。

「小豆島ガール」
小豆島の暮らしを楽しんでいる女性や、島を訪れ楽しむ女性を「小豆島ガール」と呼び、女性たちが中心となって、島の魅力を伝えていこうとするプロジェクト。
http://shimagirl.jp/


さまざまな島のゲストが登場するリトケイのオンライン生配信イベント「シマナイト ON LINE」は10月22日に開催。けりぃさんのトークもお楽しみいただけます♪ 下記の【チケット申し込み】URLよりお申し込みのうえ、ぜひご視聴ください。

【シマナイト ON LINEイベント概要】
日時:10月22日(木) 19:30〜22:00
料金:1,500円(ツイキャス有料配信 別途手数料あり)
出演者:okei(小笠原諸島)、黒島慶子(小豆島)、大口久(小値賀島)、山下賢太(上甑島)、麓憲吾・渡陽子・楠田莉子(奄美大島)、宮良賢哉・池城安武(石垣島)、リトケイ一同
チケット申し込み:https://twitcasting.tv/tokyoculture2/shopcart/26611

関連する記事

ritokei特集