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レポート

【佐渡島|成人服プロジェクトレポート 後編】新成人座談会 − 佐渡から出てみて佐渡ってどうよ!? −

佐渡出身の服飾デザイナー・山本佳那さんが企画デザインした「成人服プロジェクト」。山本さんと一緒にプロジェクトを考え、バラバラになった新穂中学校の同級生を集めて、打ち合わせを重ねてきた新穂の新成人3人と座談会を開きました。佐渡に生まれ育ったこと、佐渡をどう思う?そして15歳の書に込めた想い……20歳の現在(いま)をお届けします。

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成人式後、3人に集っていただきました。座談会メンバー:左から本間 翼さん、和田浩樹さん、本間智巳さん

「高3のときは早く佐渡から出たかった」けれど……

古玉:

3人とも今は親元を離れて東京で暮らしているわけですが、佐渡から出てみて東京と佐渡の暮らしの違いをどう感じていますか?

本間 翼さん:

佐渡にいた頃は東京に憧れていました。東京は便利。佐渡は生活するには不便ですよね。でも海も山もきれい。いま新宿のホテルでコックをしているんですが、やっぱり食を考えると佐渡ってすごい。水がおいしいから、米も酒もおいしいし。それは佐渡から離れてみて実感しています。

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新穂は「国仲平野」と呼ばれる穀倉地帯にある。新穂っ子はこの田園風景に囲まれて育っていく(写真左)。島の玄関、佐渡汽船のフェリーにて(写真右)

和田さん:

高校3年の時は、とにかく早く佐渡から出たかったですね。東京に行って、一度日本の中心地はどんなものか見てみたいという気持ちがありました。でも佐渡を出たら出たで帰省するときが楽しみで、地元の仲間と久しぶりに会ったり海に入ったり。いずれは佐渡に帰って暮らしたいです。

本間智巳さん:

俺は東京への憧れが強くて、兄弟も東京に出て来ちゃったし、東京にいたいです。東京楽しいっす(笑)。

和田さん:

東京は楽しいけど、俺は4年でいいかな。ただ職の選択肢がないから、若者にとっては帰る理由を阻むひとつなのかなと思う。

古玉:

では佐渡の良いトコロ、悪いトコロを聞かせてください。

和田さん:

良いトコロは人とのつながりが密。良い事も悪い事もすぐ広まりますけどね。あと自然が豊か。

古玉:

悪いトコロはないですか?

新成人3人:

うーん悪いトコロ……ないってことで(笑)。

古玉:

新穂は鬼太鼓も有名だし、受け継ぐ文化がいろいろありますよね。

本間智巳さん:

はい、東京でも原宿で鬼太鼓のイベントをやるからと声をかけていただいて参加しましたし、最近では六本木でも鬼太鼓を舞ってきました。

古玉:

佐渡から来たというと驚かれませんか?

和田さん:

佐渡というだけで話題が広がって、人とコミュニケーションがとれますよ。

本間智巳さん:

「佐渡」ってあだ名がつくくらい。異国扱いですよね。“佐渡出身”はネタですよ。

古玉:

和田さんは佐渡に戻ってくる、智巳さんは東京が楽しい、では翼さんはどうします?

本間 翼さん:

佐渡には戻ってこないかもしれないです。食材はすばらしいですが、店を出すとなると営業が成り立つかどうか難しいと思うので、戻るとしても新潟市内……。

新穂の絆を深める意味でも、成人服プロジェクトはよかった

古玉:

話は変わりますが、15歳の「立志元服式」の時に書いた字への想いを教えてください。

和田さん:

「毅」(き)———— 意思が強いという意味です。自分が決めた事を最後までやり通す。高校へ行って野球部に入って、甲子園に行きたいと思っていました。高校生活は楽しい事も辛い事もあるけど、それに流されず、逃げ出さない自分でありたい。自分へのプレッシャーを字に込めました。1年の時はベンチだったけど、あきらめずにやってきて2年でレギュラーに出させていただいて、本当に甲子園の土に一歩踏み入れたときは、緊張しました。そのとき多くの佐渡島民が応援してくれたことに、力をもらいましたしうれしかったです。

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和田浩樹さん

本間智巳さん:

「闘」(とう)——— 闘魂、打ち勝つ、という意味です。俺にはストーリーはなくて、とりあえず中3の時はなにも考えずに、気合い。今回のプロジェクトで15歳の時の書を…となって、自分が書いた字がなんだったかは覚えていましたけど、なんでこの字を書いたんだろうって(笑)。

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本間智巳さん

本間 翼さん:

「漸」(ぜん)——— 少しずつ確実に、という意味です。中学の時に浩樹と同じ野球部を辞めてしまって、自分の目標をあきらめた身になったので。過去の自分への戒めとして、少しずつでもいいからやりきるという意味を未来の自分に込めて書きました。

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本間 翼さん

古玉:

「成人服プロジェクト」の企画を聞いたときはどう思いましたか?

和田さん:

佐渡をもっといろんな人に知ってほしいと思っていたし、その盛り上げる手段のひとつにもなると思いました。それに、佳那さんが成人式を祝って応援してくれる気持ちがうれしいし、みんなで成功させたいと思いました。

本間智巳さん:

俺ら打ち合わせといっても集って話しているだけで、今日はじめて女子美術大学の皆さんが制作している映像を見て、こんなふうに作ってくれていたんだと思いました。申し訳ないよね。

和田さん:

3月からはじまって、月1回集る程度だったので。制作は自分たちは何もしてないんですけど、5カ月間で新穂の絆を深める意味でもよかったと思っています。

古玉:

新成人の皆さん、座談会ありがとうございました。


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成人式後、「成人記録」上映会に集った新穂っ子。

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地域の人や先輩が祝福メッセージを書き込んだキャンドルライト

成人式閉式後、新穂では19:00から先輩たちがスタッフになって開催した「成人記録上映会」が行われました。会場の一角には地域の人や先輩たちの祝いの言葉が書かれたキャンドルが灯されました。これから新成人の皆さんがご活躍され、再び記事にできることを願っています。

— 成人おめでとうございます —

(文・佐渡島ライター 古玉かりほ/写真・華)

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【佐渡島|成人服プロジェクトレポート】 真夏の成人式 − 先輩が後輩へ贈る手づくりのハレ着 −

佐渡の成人式は8月15日。着物も袴も着ることが難しい夏の成人式。ワンピースやスーツで迎える成人式に、佐渡らしい祝いのカタチがプラスできないだろうか。そんな想いから佐渡生まれ佐渡育ちの26歳がはじめた「成人服プロジェクト」をレポートします。

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