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レポート

【島Report】ICTを活用し、島で働き、暮らす テレワーク@宮古島未来会議 in Tokyo 2017(後編)

宮古島市(みやこじま|沖縄県)は、都市部の事業者などがICT(情報通信技術)を活用して宮古島で働く「テレワーク」や「サテライトオフィス」の誘致を推進しており、既に数社の島外企業がサテライトオフィスを開設したり、個人事業主がテレワーカーとして働いたりと、島へ移住するIターン者のほか、Uターンを希望する出身者の雇用も生まれています。1月に東京都内で催された「テレワーク@宮古島未来会議 in Tokyo 2017」の様子をお伝えします。( レポート前編はこちら

地方によるテレワーカーの誘致合戦が始まっている

2017年1月、千代田区の廃校を活用した施設「3331 Arts Chiyoda」で、宮古島のテレワークの可能性を話し合う公開会議 「テレワーク@宮古島未来会議 in Tokyo 2017」が催されました。

公開会議のモデレーターを務めるのは、早稲田大学大学院教授で20年前からテレワークを提唱してきた三友仁志さん。「1997年に『テレワーク社会』を出版した頃はまだ社会に大きな変化は見られなかったが、現在は地方自治体によるテレワーカーの誘致合戦が始まりつつある」と言います。

写真左:三友仁志さん|写真右:吉田宏平さん

総務省情報流通行政局 情報流通高度化推進室 室長の吉田宏平さんは、全国地方でのテレワークの実証などを行う「ふるさとテレワーク」を推進しています。「自然豊かな地方で人間らしい暮らしをすることで仕事の能率も上がる。通勤に費やしていた時間を家族や地域コミュニティのために使えるようになり、個人の人生を豊かにすることができる」とテレワークのメリットを話します。

Uターン『親の面倒を見るため』が7割以上

青森県弘前市からのゲスト大浦雅勝さんは、地元の弘前市にUターンしてウェブ専門コンサルティング会社(株)コンシスを起業し、ICT(情報通信技術)活用による農業の6次産業化に取り組んでいます。また、NPO法人あおもりIT活用サポートセンターを設立し、地域へのUターンを支援する活動をしています。

「地元へ帰ってくる人に理由を聞くと、『親の面倒を見るため』が7割以上。少子化が進む中、これから多くの都市生活者が直面する課題となるでしょう」と大浦さん。これまでに度々宮古島を訪れ、地域の違いはあれど抱える課題は似ていることを感じているそうです。

写真左:大浦雅勝さん|写真右:高畑哲平さん

2017年春に宮古島でサテライトオフィス開設を予定している、KDDIウェブコミュニケーションズの代表取締役副社長 高畑哲平さんは、宮古島市サテライトオフィス誘致検討委員会の委員も務めています。

「企業にとって地価や通勤コストの高い東京で200〜300人を抱えるのは大きな負担。経営者は1%でも生産性を高めようと取り組むが、仕事は人の心に左右され、常に100%の力を出し続けることのできる人はいない」と高畑さん。働く人がリフレッシュできる環境が大切だといい、宮古島でのサテライトオフィスへ大いに期待しているそうです。

地方には優秀なエンジニアやデザイナーがいる

企業のウェブサイトやグラフィック制作、イベントプロデュースなどを行う株式会社アンティー・ファクトリー代表取締役の中川直樹さんは「実は、地方には優秀なエンジニアやデザイナーが多くいる。IT系は、業務を賃金の安い発展途上国などに移転するオフショア化の波が押し寄せているが、内需の拡大のためにも国内の人材を使うべきではないか」と提言。

モデレーターの三友さんが、「移住者が増えることで地域からは『自分たちの仕事が取られるんじゃないか』と心配する声も聞かれるが、地域に仕事をつくれることを示していくことも大切」と応じていました。

写真左:中川直樹さん|写真右:久貝順一さん

「テレワークはまだまだ周囲に理解されにくい」と宮古島市役所 企画政策部の久貝順一企画調整課長。自身も始めはICTに苦手意識を持っていましたが、行政の担当者として関わる中で、ICTの活用で農業や漁業など島の産業に広がりが生まれることを実感してきたといいます。

「子どもは宝。島で生まれた子どもたちが、地域に貢献できるようになって戻ってきてほしい。サテライトオフィス受入サポート窓口を設置するなど、今後も取り組みを進めたい」と結びました。

宮古島を拠点に、島と都会を行き来して働くUIターン者らのビデオメッセージも紹介され、よりよい暮らしのために新しい働き方を選ぶ人たちが増えてきていることを実感しました。

最後に、公開会議の終わりに実施された参加者アンケートより、会議へ寄せられた感想やご意見を抜粋してご紹介します。

「東京で働く以外にも生き方があると強く実感しました」(女性・フリーライター)
「自然だけでなく人の温かさが島の大きな魅力。それを活かせると良い。テレワーカーと住民のコーディネート役が重要」(男性・会社員)
「仕事がてら観光もしたい人向けに、保育サービスがあると良い。地元雇用にもつながる」(女性・テレワーク支援企業)
「離島ならではの発想を、東京のクリエイティブ業務に活用できるとよい」(男性・広告代理店)
「地元への情報発信など精神的なものも含めたサポートが必要不可欠だと感じた」(女性・宮古島出身)


【関連サイト】
テレワーク@宮古島

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