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【島Report】廃校を再生し、日本酒造りと学びの場に。佐渡島の「学校蔵」プロジェクト(前編)

佐渡島(さどがしま|新潟県)で、廃校となった歴史ある小学校が、酒造場「学校蔵」として蘇った。酒造りのほか、島外からゲストを招き勉強会が開かれるなど、学びや交流の場として活用されている。(写真提供:尾畑酒造株式会社)

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日本一夕日がきれいな小学校を、酒造場に再生

佐渡島西側の真野湾に面した丘の上に立地する西三川小学校は、1873年に開校された。「日本で一番夕陽がきれいな小学校」と謳われ、人々の集う場として地元で愛されてきたが、島内の市町村合併や少子化に伴い2010年3月に閉校した。

近隣に、世界遺産候補の佐渡金銀山の遺跡群で最古の歴史を持つ西三川砂金山や、田や果樹園など、生きた教材に恵まれた立地で、多いときには200名以上の児童生徒が通っていたという。

閉校から4年後の2014年、西三川小は酒造場「学校蔵」として蘇った。酒造りのほか、地域の住民と島外からの訪問者を交えた勉強会が開かれるなど、学びと交流の場として活用されている。

「学校蔵」を企画運営するのは、佐渡島で1892年に創業し「真野鶴」の蔵元として知られる老舗日本酒蔵、尾畑酒蔵株式会社を経営する平島 健さん・尾畑留美子さん夫妻。

尾畑酒造の5代目にあたる留美子さんと結婚し蔵を継いだ平島さんは、2009年に、西三川小閉校後の児童生徒たちの受け入れ校に予定されていた学校のPTA会長に就任。学校統合に向けた集まりで度々西三川小を訪れるうち、「この学校に再利用の道がないのなら、自分の手で再生したい」との思いが募ったという。

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佐渡島の西側高台に立地し美しい夕日が望める校舎

かねてより意欲ある人に日本酒造りを学ぶ場を提供したいと考えていた平島さんは、閉校後の校舎を借り受け「学校蔵」として再生する企画を立案。2010年の末に、説明会を開いて佐渡市と学校の近隣の住民に再生案を提案した。地元住民からは「地域の中心だった西三川小を残してもらえるならうれしい」「学校蔵で造ったお酒を飲みながら、子どもたちのために植えた桜の下で毎年花見ができれば最高だね」などの声があがり、地域の人々の温かな応援を得て、再生計画が始動した。

尾畑酒造では、旧校舎に醸造機材の搬入や壁の断熱、水回りの工事などを施し、2014年5月から醸造を開始。理科室を酒造場としてリフォームし、図書室には酒造関係の書籍を並べた。テイスティングルームには、夕陽が一番きれいに見える二階角の教室が選ばれ、毎年夏休みに佐渡島で寺や民家の改修に携わっている芝浦工業大学建築工学科蟹沢研究室「木匠塾」の学生らが製作した、島内産の木材を使用したカウンターやテーブルが設置された。

(後編へつづく)


【関連サイト】
「学校蔵」プロジェクト ホームページ
書籍『学校蔵の特別授業~佐渡から考える島国ニッポンの未来』
尾畑酒蔵株式会社「真野鶴」 ホームページ

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