つくろう、島の未来

2018年11月21日 水曜日

まだ言葉になっていない「島の暮らしの魅力」を見つけるなら、実際に、島に惹かれて島に暮らしている移住者に聞くのが良いのではないだろうか? 移住定住者の受け入れに力をいれようと考えた喜界島(きかいじま|鹿児島県喜界町)はそんなことを思い、たくさんの移住定住者が暮らす小値賀島(おぢかじま|長崎県小値賀町)からひとりの移住者を招き、喜界島の魅力を探してもらいました。島から島へ、長崎離島の移住者がのぞいた喜界島の暮らしにはどんな魅力があったのでしょう。臨場感あふれる写真たっぷりに前後編でレポートします。 (記事前編はこちら)

受け継がれるおばあちゃんの唄

もう一つ、喜界島で印象的だったのは、上嘉鉄(かみかてつ)地域の島唄保存会でした。この保存会は、80代のおばあちゃんたちを先生にお迎えして、若い世代が地域の唄を学ぶというもの。

喜界島に来てから何となく感じていたのですが、地元の人は私たちに話すときは、わかるように話してくれるのですが、地元の人同士でお話しするときは、まるで外国語のような言葉をつかっています。

やっぱり琉球に近い言葉なのでしょうか。唄もどことなく琉球色の強い音色に、カタカナの歌詞が付けられていました。

私たちはワンフレーズ覚えるのがやっとでしたが、なんといっても先生であるおばあちゃんたちが心から楽しそうに唄っている姿と唄声がとても胸に響きました。当時はもっともっと楽しかったんだろうなぁ、次は僕も本番のお祭りのときに外で一緒に唄って踊ってみたいなぁと思いを馳せました。

練習を終えておばあちゃんから頂いたひとこと「今晩はあんたらがおったから、とっても楽しかったわぁ」と、握った暖かい手をいつまでも覚えていたいです。小値賀島でもそうですが、元気なおばあちゃんたちの姿は本当にこちらも元気をもらえます。

懐の深い島へ飛び込め

私が小値賀島に移住して思うのは、小値賀島は本当に懐の深い島だなぁということです。私たち移住者をよそ者だからと言って拒んだりせず、優しく受け入れてくれる方ばかりです。

小値賀島と背景は違えど、喜界島には暖かな気候やどっしりとした基幹産業に支えられた人々の懐の深さがあると感じました。

今回出会った方々は、また僕が喜界島を訪れたとき、きっと笑顔で迎え入れてくれると思います。そうした人とのつながりが、「島へ移住」というハードルを低くしてくれるのではないでしょうか。

空き家と住居の問題

ちなみに、移住といえば「家」が気になりますよね。

喜界島や小値賀島のような離島では、古くなって住めなくなる住宅も多く、島民や移住者向けの住宅供給が課題となっています。喜界町役場の担当課職員のみなさんと、住宅供給の課題についても意見交換をさせて頂き、私の小値賀島での取り組みについて簡単に紹介させて頂きました。

私は、小値賀島にて活用できる空き家の調査を担当しています。小値賀島には約400軒の空き家があることが分かっていますが、そのうち約100軒の所有者さんに対し、空き家活用意向のアンケートを実施しました。

回答率は約4割、何かしらの活用意向(賃貸や売却、寄付など)を示した所有者さんは全体の約2割程度でした。活用したいという所有者さんは決して多くはなく、また、所有者さんごとに様々な考え方があり、なかなか効果的な打開策がないというのが現状です。

喜界町役場の方々も同じような問題を抱えていらっしゃるようでしたが、このように所有者さん一人ひとりに問いかける草の根活動が空き家を活用した住宅供給には必須だと感じています。

喜界島では平成30年度に「空き家バンク」を創設し、空き家の改修も予定しているとのこと。農業体験や、移住者や島内の方との交流を図れる「フリー滞在プログラム」も実施されているので(詳細は役場までご連絡ください)、移住をお考えのみなさん。ぜひ一度、喜界島へ足を運んでみて、喜界島の自然を、文化を、人々の暮らしを感じてみてください。


【関連リンク】 喜界町公式ホームページ「観光・移住」

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