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レポート

【島Report】長崎離島の移住者がのぞいた喜界島の暮らし。共通するのは「◯の深さ」(前編)

まだ言葉になっていない「島の暮らしの魅力」を見つけるなら、実際に、島に惹かれて島に暮らしている移住者に聞くのが良いのではないだろうか? 移住定住者の受け入れに力をいれようと考えた喜界島(きかいじま|鹿児島県喜界町)はそんなことを思い、たくさんの移住定住者が暮らす小値賀島(おぢかじま|長崎県小値賀町)からひとりの移住者を招き、喜界島の魅力を探してもらいました。島から島へ、長崎離島の移住者がのぞいた喜界島の暮らしにはどんな魅力があったのでしょう。臨場感あふれる写真たっぷりに前後編でレポートします。

こんにちは。私は小値賀島に移住した長谷川雄生と申します。2017年4月から総務省の地域おこし企業人プログラムを活用し、八千代エンジニヤリング株式会社という東京の会社から小値賀町役場へ出向しています。築100年を超える古民家(空き家)の手入れをしながら、2018年には、妻と二人で島暮らしが体験できる宿をオープン予定です。今回は、喜界島から招待いただき、小値賀島から喜界島の暮らしをのぞきに出かけました。

サンゴでできた平らな島

某月某日。小値賀島を出発した僕は、船や飛行機を乗り継ぎ、奄美群島の喜界島へ渡りました。

真っ平らな地形に見渡す限りのサトウキビ畑。一言で表現すると喜界島の風景はそんな感じ。

百之台(ひゃくのだい)という高台からの眺めはいろんなことを教えてくれます。たとえば、私が住んでいる小値賀島も平らな島ですが、火山でできた島なので多少の起伏があります。

一方、サンゴ礁でできた喜界島には起伏がほとんどなくて驚きました(サンゴは水平方向に成長するそうです)喜界島の平らな地形は、大面積の畑の確保を可能にし、サトウキビ生産という産業を支えています。

サトウキビを工場へ運搬するトラック

しかも、ほとんどの畑が丁寧に管理されていて、耕作放棄地が見当たらない(小値賀島には結構ある)。こんなにサトウキビ作ってどうするんだろうと考えていた矢先、訪れた大規模製糖工場の生和糖業さんで答えをみつけました。

どっしり大規模工場

生和糖業では、大量のサトウキビが大型トラックやクレーンで運ばれて、瞬く間にベルトコンベアーで工場の中に吸い込まれていきます。大きなローラーで潰されたり、巨大な真空鍋で沸騰されたり。

巨大な真空鍋で沸騰するサトウキビジュース

そんな工程を経て、高さ4m~5m程の高さに山積みにされた粗糖は圧巻でした(中に飛び込んだらどんな気分だろう……)。まさに、サトウキビ産業は喜界島の基幹産業だなぁと納得できるシーンでした。

できたての粗糖

ふつふつと沸き起こるチャレンジ

そんな基幹産業があるおかげか、喜界島では様々なチャレンジが実践されていました。

喜界町が運営している農産物加工センターは、一般市民にも解放されていて、喜界島の在来ゴマをはじめ、島でとれた野菜や果物を使った加工品が次々と生み出されていました。

左:喜界島の在来種のそら豆で作ったお醤油/右:喜界島の在来種の柑橘と鹿児島茶がコレボレーションした商品

黒糖焼酎の酒蔵である朝日酒造さんでは、従来の黒糖焼酎に加え、自家製のオーガニック黒糖を使用した焼酎作りに取り組み、他社との差別化を図っていました。

自家製のオーガニック黒糖の美味しさを語る朝日酒造の喜禎社長

安定したサトウキビ産業があるからこそ、新たなチャレンジに取り組めるのか。喜界島の皆さんからは余裕のようなものも感じました。

そんな中で、特に印象的だったのは、私と同年代の2人の話でした。

峰山恵喜光(みねやま・えきみつ)さんは、牛の生産や車エビの養殖を手掛けながら、町議会議員も務めるという凄腕経営者です。飼育小屋にいる牛の数はなんと約400頭。小値賀島でも牛の生産を行っていますが、こんなに大規模に事業展開している方はいません。こちらの気分も良くなるぐらい清々しくお話しする峰山さんの懐の深さというか、でーんとした構えがとても頼もしかったです。

そしてもう1人。ご自身でオーガニックのサトウキビ栽培から黒糖生産までを一連で行っているIターン者の杉俣紘二朗(すぎまた・こうじろう)さん。黙々と黒糖づくりに勤しむ姿はまさに職人。お話しを伺えば、内に秘める野心みたいなものも垣間見えてきました。こういう自分の想いを自然体で語れる人に本当に憧れます。

(記事後編に続く)


【関連リンク】
喜界町公式ホームページ「観光・移住」

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