つくろう、島の未来

2024年03月19日 火曜日

つくろう、島の未来

4月に施行された有人国境離島新法の施行を受け、長崎県の対馬市(つしまし)・壱岐市(いきし)・五島市(ごとうし)・新上五島町(しんかみごとうちょう)では、それぞれの島において地域商社が設置される。県では、国境のしまの地域商社を支援するため、フランス語で「おいしい国境」の意味を持つ「しまの商社 ボン・フロンティエール長崎」と名付けた営業拠点を東京都内に開設。県・市・町とそれぞれの地域商社が連携して島々の産品を売り込む。

長崎県東京産業支援センター内に設けられた営業拠点(東京都新宿区)

日本一の離島県。長崎の3市1町の地域商社が連携

4月1日に「有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法」(以下、有人国境離島法)が施行された。同法に基づき、国が指定する特定有人国境離島地域では、住民の航路・航空路運賃の引き下げや、雇用増を伴う創業・事業拡大や農水産品の出荷等にかかる輸送コストの支援などが実施されている。

全国で最も多くの離島を抱える長崎県では、対馬(つしま)・壱岐島(いきのしま)・五島列島(ごとうれっとう)の3地域が同法の対象とされている。

この春から夏にかけて、長崎県の3地域のうち対馬市・壱岐市・五島市・新上五島町の3市1町がそれぞれ地域商社を設置し、国境のしまの生産者の所得向上等を目指すこととしている。県では、これらの国境のしまの地域商社を支援するため、4月に営業拠点「しまの商社 ボン・フロンティエール長崎」を東京都新宿区に開設した。

今後は営業拠点に配置した長崎県のマーケティング支援員や各島の地域商社営業員等が連携して、しまの産品の販路開拓等に取り組む。また、それぞれの離島においても、県・市・町や各島の地域商社が連携して、新たな地域資源の発掘や、市場ニーズに合った商品の開発、生産者への販売情報提供などに取り組む。

営業拠点の名前は「おいしい国境」を意味

長崎県の国境離島で生産される、様々な水産品や農畜産品、日本三大うどんの一つにも数えられる「五島手延うどん」や世界ブランドの「壱岐焼酎」など豊富な食材を国内外にアピールしようと、フランス語で「おいしい国境」の意味を持つ「ボン・フロンティエール」と名付けられた。

マーケティング支援員の田中一洋さんは「ボン・フロンティエール長崎では、テストキッチンを利用して、実際に味わっていただいて商談が出来る。しまの産品の美味しさを知っていただき取引拡大に繋げ、長崎県の国境のしまの産品を皆さんに味わっていただきたい」と語る。

長崎県の国境離島による地域商社の取り組みは、有人国境離島法の施行に合わせた地域振興のモデルケースとして注目されている。

関連する記事

ritokei特集