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【島News】「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」世界自然遺産登録候補地の取り組み

奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)と徳之島(とくのしま|鹿児島県)、沖縄島北部のやんばる地方、西表島(いりおもてじま|沖縄県)の一部が、国の世界自然遺産登録候補地に決まり、正式な推薦書が2月1日にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)に提出された。候補地では、野生生物の保護や自然環境の適正利用のための仕組みづくりなど、世界自然遺産登録へ向けた準備が進む。

政府は2月1日、世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島・沖縄)と世界文化遺産登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の正式推薦書をユネスコ本部に提出した。専門家による現地調査を経て、2018年夏の世界遺産委員会で審査されて登録の可否が決まる見通しだ。

世界自然遺産は、世界遺産条約に基づいて、「地形・地質」「生態系」「自然景観」「生物多様性」といった4つの評価基準のいずれかで世界で唯一の価値を有する地域を、ユネスコが登録する。

今回、世界自然遺産に推薦される候補地は、奄美群島の奄美大島と徳之島、沖縄本島北部のやんばる地域と八重山諸島の西表島に属する合計38,000ヘクタールの区域。該当地域では、大陸から小さな島々が分離・成立する過程を表す独自の生物進化がみられ、生物多様性の保全上重要な地域と位置付けられている。

奄美大島と徳之島に生息し、鹿児島県鳥となっているルリカケス。国指定天然記念物。
写真提供:常田 守

候補地ではこれまでにも、世界自然遺産登録へ向けた準備が進められてきた。

奄美群島では、2012年度に奄美大島と徳之島を含む各島で「エコツーリズム推進協議会」が組織され、自然環境や歴史文化など地域固有の魅力を観光客に伝え、保全につなげるスキルを備えたエコツアーガイドを養成している。

奄美大島では、2015年に奄美大島内の5自治体が連携して 「奄美大島生物多様性地域戦略」 を策定。複数の地方公共団体による策定は、全国で初の試みだ。

西表島にのみ生息するイリオモテヤマネコ。絶滅危惧IA類。国指定特別天然記念物。
写真提供:環境省西表野生生物保護センター

島の固有種で国の特別天然記念物に指定されているイリオモテヤマネコが生息する西表島では、ネコエイズなどイエネコからのウイルス感染やイエネコの野生化を防ぐため、ネコを適正に飼うことを求める「竹富町ネコ飼養条例」が2001年に制定された。同条例は2008年に改正され、国内で初めて飼いネコの感染症検査や予防接種、避妊・去勢手術を義務化し、検査や予防接種などを受けていないネコの島内持ち込みを禁止する内容が盛り込まれた。

2015年には、西表石垣国立公園の指定区域が「陸地の一部」から「島の陸地と周辺の海を含むほぼ全域」に拡張され、固有の動植物が生息する陸域から、多種多様なサンゴ礁が発達する海域まで、幅広い区域で環境保全が図られている。

また、八重山諸島で大量発生する外来生物の駆除活動や、1996年に制定された竹富町自然環境保護条例の改正による規制強化に向けた検討なども進められている。

民間では、2006年に特定非営利活動法人 沖縄エコツーリズム推進協議会が発足し、持続可能な観光地域づくりに取り組む。また、竹富町観光協会内に世界自然遺産登録に向けた研究会も立ち上がり、自然環境の適正利用と保全の両立を模索している。

現在国内の世界自然遺産は1993年に「白神山地」(青森県・秋田県)と「屋久島」(鹿児島県)、2005年に「知床」(北海道)、2011年に「小笠原諸島」(東京都)が登録されており、2018年に「奄美大島、徳之島、沖縄北部及び西表島」が登録されれば7年ぶりに国内5地域目の登録となる。


【関連サイト】
時を紡ぐ、彩りの島 奄美・琉球(鹿児島県観光連盟)

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