つくろう、島の未来

2019年08月22日 木曜日

瀬戸内海のほぼ中央に浮かぶ愛媛県上島町魚島で、約3年ぶりに商店が復活した。開店から約3ヵ月、島内の新たなコミュニティになりつつある。※この記事は『季刊ritokei』13号(2015年5月発行号)掲載記事のロングバージョンです。

◼︎瀬戸内海・魚島に商店がオープン

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瀬戸内海のほぼ中央に位置する魚島(愛媛県上島町)で、3年ぶりに商店が復活し、活気づいている。土生港から船で約1時間の魚島は、約170人が暮らす島。1995年には島に3つの商店があったが、高齢化の影響により次々と閉店。2012年5月に最後の商店が閉店して以来、住民は島で買い物ができない状態となっていた。日頃の買い物は、近隣の弓削島(愛媛県上島町)や因島(広島県尾道市)にある生協へ電話注文するか、島外に出たときに購入するほかなかく、お年寄りなどには大きな負担となっていた。

そこで、島おこし協力隊として上島町魚島総合支所に勤める吉田浩士さんが、役場の協力を得ながら2015年3月に「魚島商店」を開店させた。店舗の什器や備品は、かつて島の商店で使われていたものを借り、平日の10時から18時の間、食品や日用品を販売。利用客からの要望があれば、商品の取り寄せも行うという。

「島に商店が復活して、笑顔が増えた」と魚島に暮らす佐伯和恵さんは喜ぶ。開店から3ヶ月が経ち、現在は1日平均25人ほどの人々が利用し、客足は徐々に増加傾向にある。なかには商店の様子を見に1日に2〜3回来店し、吉田さんと談笑する人もいるという。

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多くの住民が集う新たな商店を切り盛りしながら、吉田さんは「お店を始めたことで、島の方と会話する時間が増えた。島のおばあちゃんが作った料理をいただく機会があり、そのおいしさに感動した」と話す。「まずは島民の方に信頼してもらえるような商店の運営に務め、今後は新鮮な魚介類やデベラ(※)など島の特産品を扱い、島外の人にも利用してもらえるよう商品を充実させていきたい」(吉田さん)。また、佐伯さんは「商店でお茶やコーヒー、軽食が商店で食べられるようになると、ますますコミュニティが広がると思う」と商店のこれからの展開に期待を寄せた。

※カレイの一種であるタマガンゾウヒラメを干した魚島名産の珍味。「平べったい」形状から「デベラ」「デビラ」と言われている。

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