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【島Books&Culture】島をより深く味わう1曲|島を照らす満月の晩に聞きたい「月酔唄」

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  • 『月酔唄』

    宮良牧子
    (BISHOP MUSIC/1,000円+税)

    ボーカルは石垣島出身の宮良牧子。作曲にはDE DE MOUSEとのコラボレーションでも知られたバンド「RF」率いるギタリスト成川正憲(六弦倶楽部)も参加。「月酔祭」にDJとして参加するTaroFujiwara (a.k.a. Taromix)による全面プロデュース

幻想的な島の夜をさらに深い時間にしてくれる「月酔唄」

街灯やネオンがまぶしく光る都会の夜は、そこに在るはずの月も、星も、姿をぼんやりと隠してしまう。一方、人工的な灯りが少ない島の夜といえば、雲に覆われると暗闇に包みこまれてしまうが、晴れれば一変、夜空一面が美しいキャンバスとなる。

島の夜には、こぼれ落ちてきそうな満天の星を仰ぎ見る日もあれば、満月に見惚れる日もある。いずれにせよ、夜に見られる島の美しさには、昼間感じる美しさとは違う、神秘的な感覚が加わる。

そんな、美しい島の夜に聴きたい曲がある。石垣島出身のボーカリスト・宮良牧子さんが唄う「月酔唄」は、鹿児島県の最南端・与論島で開催されている月夜のイベント「月酔祭」から生まれた。

この曲は月酔祭をオーガナイズする踊絵師・神田サオリさん(『季刊リトケイ』10号インタビュー「島に恋した踊絵師」に登場)から声を掛けられた宮良さんが、2013年に初開催された月酔祭のために初めて訪れた与論島で体感した情景を曲として書きあげ、2014年の同イベントで唄ったもの。DJとして月酔祭に参加していた音楽プロデューサーのTaro Fujiwara氏の心に留まり、月酔祭に集うアーティストらの手でCD化された。Taro Fujiwara氏は、「ヨロンはすごく小さな島で、自然とすごく近い。月が見え、太陽も見え、すべてがマジカルに感じ、 神に近い島だと感じた」と語る。

一方、宮良さんも「与論島の海は本当にきれいだった。石垣島の出身なので、人々の親しみやすさや情景には似ているところもある。月酔唄は感じるがままに聞いていただき、何かひとつでも島の美しさを感じていただけたらうれしい」と話す。実は、月酔唄が生まれた当時、宮良さんはご自身の出産直後だった。そして、2015年にはオーガナイザーを務める神田サオリさんにも「月丸」と名付けられた第一子が誕生した。「この曲はおなかに子どもを宿している時に感じた与論島の景色を描き、出産後に初めてつくった曲。そういう意味でも特別な楽曲になりました」(宮良さん)。月夜の晩に生命を育むサンゴのように、月夜から生まれた曲には、こんなロマンチックなストーリーも隠れている。

沖縄地方独特の歌唱法「グイン」を使用した心地よいボーカルに、ギターやインドの古典楽器の音が重なる無国籍南国サウンドが、幻想的な島の夜をさらに深い時間にしてくれる「月酔唄」。日が暮れる夕刻から、月を待ちながら静かに耳を傾けるのもよし。白浜に打ち寄せる波の音とともに聞くのもよし。ミニアルバムには複数のバージョンが含まれ、朝や夕方など時間帯に合わせて聞けば、美しい島での時間をより一層、味わい深いものにしてくれるだろう。

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