つくろう、島の未来

2024年04月25日 木曜日

つくろう、島の未来

与那国島から利尻島まで10島10人の島人へ編集長からの質問。Q1からQ9まで連載でお届けします。

鯨本Q8.

  • 世間一般では、新卒採用、正社員、終身雇用など働き方についての議論が交わされています。島に暮らすみなさんが「働く」に対して重視するポ イントを教えてください。

島人A8.

  • 猪俣 哲(与那国島・沖縄)

    役場職員(公務員試験を通っていないコネ就職)以外「新卒採用、正社員、終身雇用」などの将来を保証された仕事は島にないのが現実です。漁師の初 年度生活保証制度などはありますが、いずれも税金がどこかで絡んでいるものばかりです。私は5年ほど泡盛をつくる仕事をしていましたが、今は地を 這うような自営業をしています。戦後丸裸で再興した日本人ですからビジネスチャンスは自分で興す位の気持ちが無いと、他力本願はいけません。

  • 宝島トシエ(宝島・鹿児島)

    島で生活する私達にとってルーティンな仕事は決してありません。都会に比べ島では創造的な仕事ばかりです。ただ漠然と毎日を過ごすのでなく目的を明確にもち、自主的に働く。こういった事が島で働くには重要だと考えます。目的を達成することによりさらに自分のモチベーションもさらにあがりますし、生きがいや働きがいを直に感じることができます。

  • ミセスたんかん(徳之島・鹿児島)

    島の場合、働けるところがあるだけでありがたいです。が、「自分が自分らしくいられる所」を望みます。

  • ヤマシタケンタ(上甑島・鹿児島)

    働くことは、地域とともに生きること。

  • ベベンコビッチ(福江島・長崎)

    故郷に戻りたいとか離れたくないという強い思いがあるにも関わらず、戻れない、離れなくてはならないという現状があります。島に暮らしながら、別の地域で仕事をするという選択がなく、島を離れる、離れないの要因が「働く」場所の有無や就労条件に直結しています。また、島に暮らしたい人にとって、就業形態や働き方へのこだわりよりも、低賃金などの就労条件の悪さと、”島を離れない”、”島に戻る”動機とを天秤にかけて、働くということを考えていると思います。島に残る動機、島に戻るという動機が、働くということを考えると同義であるように思います。

  • 古崎公一(岩城島・愛媛)

    島の皆さんが同じように思っているかどうかは分かりませんが、私は自分を持って働く事が大事だと思います。島の中にも楽して生活費を稼ぎたいという人は少なくないです。でも、良い意味で取ればそれも個性です。私は他人や自然を傷付けなければ自分のやりたい事をどんどんやるべきだと思っています。就職できないなら、自分で事業を起こせばいいのです。

  • 大野圭司(周防大島・山口)

    「働ける数を増やすにはどうしたら良いか。」を重視しています。

  • 沖山雄一(三宅島・東京)

    「働く」と言うよりは「生きていく」みたいなキーワードでしょうか?自分が3年後どうなっているか、どうなりたいか、みたいな具体的なビジョンを持つことがポイントです。
    また、島暮らしして何を成し遂げたいのか?が明確だとぶれなくていいですね。
    たとえば日本一になりたい!と言っても、売上が日本一なのか規模が日本一なのか具体的じゃなかったり、そのために日々どうしていくのかが明確になりません。3年以内に島でカフェオーナーになりたい!売上2000万位が目標!とか、明確な感じが必要です。カフェをOPENするために島の土地の確保や建物材料確保や資金調達、どんなメニューにして、スタッフはだれとやるかなど、現在と未来の点を繋ぐプロセスが必要です。イメージしたことは諦めなければ必ずかなうはずですから。そういう意味では一流のビジネスパーソンより、一流のアウトドアパーソンの方が現代の「生き方」に合っていると思います。

  • IKKO(八丈島・東京)

    仕事はなんでもいい、自分のやりたいこと、自分に合ったものを選ぶことが大切だと思う。大金持ちになるなら都会の方がチャンスは多い。島での暮らしは適度な給料、適度な仕事時間、適度な自由時間をバランスよく行うことが重要だと思う。

  • 横山知己(利尻島・北海道)

    例えわずかでも、未来を照らす光・・これがすべて。

Q9. たとえば10年後、世界の国々からどんなふうに噂される国だったら良 いでしょう。また、そのためにこの国の人々は何を大事にすべきでしょう。(12月22日UP)>>

 ご意見やご感想はこちらまで>>

関連する記事

ritokei特集