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離島経済新聞

 

インタビュー

【訊く】私、島人です。篠原ともえさん

2010年「凱旋ライブ in 青ヶ島」を行った篠原ともえさん。今も大好きなおばあちゃんが暮らす青ヶ島は、行くと元気になれる島。その魅力を伺いました。

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写真/ただ(ゆかい)

伊豆諸島の最南端に浮かぶ青ヶ島は、約180人の島民が生活しています。
ここは篠原ともえさんのお母さんが生まれ育ち、大好きなおばあちゃんが暮らす島。
2010年に「凱旋ライブ in 青ヶ島」を行った篠原さんに、行くと元気になれる島の魅力を伺いました。
離島タブロイド紙『季刊リトケイ』創刊号に掲載されたインタビューのロングバージョン。

3月30日(金)に東京・青山で開催されるライブのインフォメーションもあります。
インタビュー・文/神吉弘邦

私、島人です。篠原ともえさん

リトケイ

今日も素敵なファッションですね。

篠原さん

ほんとに、派手っ子ですねぇ〜!

リトケイ

いえいえ、コサージュがとってもお似合いですよ。
オシャレな篠原さんが、島に行って
ファッションへの刺激を受けることってありますか?

篠原さん

実はすごくあって。お洋服や歌を作るとき、
私はよく自然からインスピレーションをもらいます。
島で見る夕暮れの綺麗なグラデーション、
そこから受ける気持ちをどうしたら歌にできるだろう、
美しさをみんなと分かち合うために
どんなものを作れるだろう、って思うんです。

みんながマルチクリエイターという島。

リトケイ

青ヶ島にはどんな方々がいらっしゃいますか?

篠原さん

島では、椿油を作ったり、ひんぎゃの塩を作ったり、
青酎(青ヶ島の名産焼酎)を作ったり、
ものを作れる人がたくさんいます。
自然とつながりながら、
ものづくりをして暮らす方々は素敵ですよね。

リトケイ

青ヶ島の場合は本当に規模が小さいからこそ、
みんなが仕事をたくさんされますよね。
全部をおよそ180人でやらなければならないから。

篠原さん

そう。それがすごくカッコいいと思う。

リトケイ

「青酎」(青ヶ島の名産焼酎)こそ作らないけれど、
篠原さんもどこか似ています。

篠原さん

私もそういう「なんでもやっちゃう系」。
どれか1つを選べないタイプなんですよ。
なにかに絞ろうと思ったこともあるけど、
やっぱり絞れなかった。
でも「そういう生き方をしている人が島にいるから、
自分もそれでいいんだ」と思えるようになりました。

リトケイ

絞らないことで、全体を見られるのかもしれませんよ。
連続発売したアルバムでは
セルフプロデュースもされていますが、
作詞、作曲、アレンジ、プログラミング、
衣裳デザイン&制作、ブックデザイン、
イラスト、写真まで、
全部ご自身でやっていますね!

篠原さん

ヒーコラ、ヒーコラですよ(笑)。
1枚目のアルバム「-:*Better*:-」
(2012年1月11日発売)は
月や穏やかな気持ちがテーマなのですが、
私のイラストをアートワークにしました。

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おばあちゃんとジャスミンの花畑。

リトケイ

お母さんは青ヶ島で育ったんですね。

篠原さん

そうです、だからめっちゃパワフル。
島の食べ物を食べてますし。

リトケイ

どんな方ですか?

篠原さん

もう、イェーイ!みたいな(笑) 
ほんっとにポジティブ。
だから私のポジティブさは、
母の血から受け継いだと思うんです。

リトケイ

私(鯨本編集長)は1年前の夏、
東京にある11の有人島を巡ったんです。
観光地ではないし、ビーチもないけれど、
11島の中で青ヶ島が一番感動しました!

篠原さん

どうしてですか!?

リトケイ

火口の中にもう1個の火口がある、
ミラクルな地形をしていたからです。
島は通常、
海岸沿いに人が住んでいることが多いのですが、
青ヶ島だと標高約250メートル地点なんですよね。

篠原さん

ええ、「二重カルデラ」になってますからね。

リトケイ

そこにおばあちゃんが住まわれているんですね、
お母さんのお母さんが。

篠原さん

青ヶ島では花の季節が訪れると、
ジャスミンの花がすごく香るんですって。
お母さんからその話を聞いたときは、
もう胸がドキドキしちゃって。

リトケイ

2枚目のアルバム
「-:*Oh Yes Say LaLa*:-」(2月22日発売)の
6曲目は、その名も
「.:*Jasmin*:.」というナンバーでした。

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篠原さん

実は、この曲は
私のおばあちゃんに向けて書いた曲です。
聴く人によっては恋人などを思い出すでしょうけど、
なんだか懐かしい気持ちになるという
感想もいただきますね。
ラストの「++KiMi Wa Orange++」という曲も、
ラブソングなんですけど、
島からもインスピレーションをもらって作りました。

リトケイ

島のことを前面に出した作品ではないですが、
そんなメッセージがあったんですね。

アルバムに込めたのは、静と動の内面。

リトケイ

ところで、アルバムを連作にしたのは?

篠原さん

10代の頃から作り続けている曲を形にしよう!
と思ったので1枚には入りきらなかった
ということもあります。あと、自分が今まで
やったことがないことをやってみたかったので、
「月の穏やかな世界」と「花の鮮やかな世界」という、
いろんなシノハラの心を見ていただきたかったんですね。

リトケイ

それであえて2枚に。
それぞれの曲が呼応している感じですね。

篠原さん

穏やかなシノハラと
華やかなシノハラという世界観を分けて、
しかもその2つが連動しているというコンセプトが、
ワーッと浮かんできたんです。

リトケイ

篠原さんの鮮やかさって、とても自然な感じがします。
それは島の自然が持つ鮮やかさなんですね。
その様子がアルバムを聴くと伝わってきて、
深く納得がいきました。

篠原さん

わ~、よかったです! 
私がインスピレーションを受けているのは
決してキテレツなものからではなくて、
すごくナチュラルなものに目を向けているんですよ。
自然界の花以上に鮮やかな色はないと思っています。
島には私のものづくりにとっての
宝物がいっぱい詰まっているんです。

リトケイ

これまで青ヶ島に何回くらい訪れましたか?

篠原さん

全部で3回です。7歳のときと、
それと大人になってから従姉妹の女の子チームで
おばあちゃんに会いに行きました。
あとはこの前、青ヶ島で自分が構成を考えた
念願のライブをさせていただきました。

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島太鼓を叩いて、レッツ青ヶ島音頭!

篠原さん

落語会などはあったけど、
島に20人くらいいる小学生たちは
音楽のライブは初めてだったんですって。
初めてものを見る感じでジーッと
前のめりになってくれたのが、たまらなく嬉しくて!

リトケイ

なんだか姿が目に浮かびます。

篠原さん

おばあちゃんも素敵な着物を着て、
見てくれたんです! 
ステージ衣装のお花も全部自分で作って、
終わったらコサージュにしておばあちゃんにあげて、
ご先祖さまのお墓にも供えました。

リトケイ

ライブではどんな唄を歌ったんですか?

篠原さん

この日のために作った曲
「青ヶ島音頭」をプレゼントしました。
楽器をあまり持って行けないから、
会場の小学校にある楽器をジャンジャン借りまして。
私も即興で太鼓を叩きながら歌いましたよ。

リトケイ

青ヶ島は八丈島と同じように島太鼓が有名なんですね。

篠原さん

小学校にある太鼓を集めたら、
たくさん太鼓が集まって。
それをパーカッショニストの
スティーヴ・エトウさんが演奏で披露したんです。
そうしたら子どもたちが、もう大興奮。
学校の先生も喜んでくださって。
みんなが「この太鼓はどう鳴らすんだろう?」
と思っていた謎も一気に解けたみたいですよ。

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写真/ただ(ゆかい)

ものづくりが日本を彩ると嬉しいな。

篠原さん

このライブには「自分の手で作るということ、
ものづくりって本当に楽しいよ」
というメッセージを込めました。
別に「作るって楽しいね、キャッホー!」
というわけじゃないけど、
自分自身が作る姿勢や、
ものづくりをしていく姿を見せて、
誰かの背中を押せたとしたら嬉しいですね。

リトケイ

創造の母、みたいな。

篠原さん

そうなれたらいいなあ(笑)。
青ヶ島では9月に
「月見踊り」というお祭りがあるんですって。
先日、島の人たちが
「自分たちでも月見の歌を作ろう!」
という動きがあったそうですよ。
それを聞いたときは、もしかして
「作る」という楽しさをプレゼントできたのかな、
と思って嬉しかったですね。

リトケイ

ものづくりでは、何に対して作ることが多いですか?

篠原さん

そうですね、自分がワクワクしてればいいのかな。
そうすれば、みんなもワクワクしてくれると思うから。
青ヶ島のライブも、私が勝手に
「インスピレーションをありがとう!」
と感謝したかったのですが、
島の人が喜んでくださったり、
おばあちゃんが抱きしめてくれました。
だから、誰かのためと思うより、
あえて言うなら自分の心の成長のために作る感じですね。
私も都会に住んでいても、
島で触れた自然をものづくりに反映していきたいな、
といつも思っています。

離島経済新聞 目次

『季刊ritokei(リトケイ)』インタビュー

離島経済新聞社が発行している 全国418島の有人離島情報専門のタブロイド紙『季刊ritokei(リトケイ)』 本紙の中から選りすぐりのコンテンツをお届けします。 島から受けるさまざまな創作活動のインスピレーションや大切な人との思い出など、 島に縁のある著名人に、島への想いを伺います。

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