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【特集|在島WORK】「これならいける」独立後に島へ移住し島内外の仕事をこなす。奄美大島 富永寛之さん|在島ワーカー

島暮らしを選び、島に仕事を持ち込んだ「在島ワーカー」とはどんな人か? 7つの島に暮らす在島ワーカーに、仕事や暮らしについて聞きました。取材はすべてZOOMやSkypeなどのビデオカンファレンス(テレビ電話)を使用しました。『季刊リトケイ』25号特集「仕事はネットで。暮らしは島で。島の新しい働き方 在島WORK」連動記事です。

ストレスで派手にお金を使う生活に嫌気が差した

奄美大島(あまみおおしま|鹿児島)の中心市街地、名瀬(なぜ)を拠点に活動する富永寛之さんは、フリーランスクリエイターとして日本全国からホームページや動画の制作やSEOラインティング等の仕事を請け負っている。

「トミーくん」の愛称で親しまれている富永さんが島へ移り住んだのは2017年の夏。それまでは大阪のITベンチャーでマネージャーという立場でさまざまな事業の立ち上げに携わってきた。

「民泊事業の立ち上げに、アプリ開発のスクール運営など。会社は定時で帰れと言っていたけど積極的に深夜まで働いていましたね」というトミーくんは、目の前にある山を駆け登る一方で「ストレスで派手にお金を使っていて、そんな生活に嫌気が差していた」と話す。

「もともと12時間でもパソコンの前にいれる」というトミーくんは、その当時、世界で1億人以上のユーザーを誇るホームページ作成ツール「Wix」と出会い、仕事の合間にWixを活用したホームページ制作を請負はじめていた。

クラウドソーシングに登録。「これならいける」

クラウドソーシングサービスにも登録し、インターネット上で仕事を受注できる環境が整ったことに気づいたトミーくんは「これなら個人でもいける」と感じて独立。

そしてある日、大阪でOLとダンスの講師をしていたパートナーの間瀬るみえさんに「南の島に住みたい」と打ち明けると、「奄美がいいんじゃない?」と逆提案された。実は、間瀬さんは祖母が奄美大島の隣島、徳之島(とくのしま|鹿児島)出身で奄美群島(あまみぐんとう|鹿児島)の空気にふれた経験があったのだ。

幸い、奄美大島には関西からのLCCも就航している。トミーくんは早速島へ渡り、家探しを開始。それから先は「ロールプレイングゲームみたいな感じ」だったと振り返る。

奄美大島には不動産屋はあるものの、島外からやってきた若者にいきなり家を貸してくれる大家は少なかった。トミーくんは宿泊していたゲストハウスを縁に大家を見つけ、名瀬に部屋を借り、その縁でゲストハウスや不動産屋のホームページ制作も受託することができた。

フリーランス支援に手厚い奄美市のサポートも活用

奄美市内にある自宅兼作業場。Wix、Abobe、G Suiteなど業務上かかせないツールを駆使しながら仕事に向かう

奄美市はフリーランスへの支援が手厚く、奄美発のブログポータルサイト『しーまブログ』を中心にネットコミュニティがにぎわいを見せている。

トミーくんは島に来た翌日には市役所と『しーまブログ』の門戸を叩き、奄美市が開催する「フリーランス寺子屋」をすべて受講。観光フォトライティングやSEOライティングの知識を増やし、ライティング業務も受注できるようになった。

現在は、TL Worksの屋号でスマートフォンに対応した格安ホームページ制作などを、島内外から受注。島外の仕事はランサーズやクラウドソーシングサービス経由が5割、Google検索でTL Worksのホームページにやってきた顧客が3割、知人による紹介が2割で、「自らのホームページで自己紹介と実績をしっかりと伝えること」を大事にしている。

ホームページ制作には「そこのスタッフになったつもり」で向き合うトミーくんは、自らがマネージャーとして働いていた時の経験はもちろん、海外留学や民泊運営の経験など、過去の経験をフル活用している。

「今は婚活系のサイトをつくっていますが、楽しいです!」と好奇心たっぷりに語りながら「特に島外のお客さんとはメールベースで仕事を進めるので、メールの返信を1日以上あけないとか、何回もやりとりしないように1回で終わるような文章を書くなど、丁寧に心がけています」と細かな配慮を見せる。

効率よく仕事をし、島暮らしを楽しむ

「自然も、空気も、人も良い」という奄美大島でトミーくんと間瀬さんは島暮らしを楽しんでいる

リモートワークの悩みは特に感じていないが、「僕自身、効率よく仕事をしたいので、効率よい方法をお客さまにも採用していただいて、例えばGドライブで素材共有しましょうというお話もしていますが、リテラシーのないかたは全くできない。ビデオ通話も、電話越しでも時間かかる」。また、集中しているときの電話もNG。あらかじめ電話打ち合わせは決めたいため、その理由もクライアントに丁寧に説明する。「自由なライフスタイルを保つに大事なんです」。

「最初のころはバンバン営業していた」が、現在は積極的な営業は控えているという。「ストレスを抱えないように週3〜4日は仕事を詰めて、日曜日はお休みに。一日中仕事をする日もありますが、平日でも海にいけるようにしています」と、インターネット経由でやってくる島外の仕事と、人の縁でどんどんつながる島内の仕事をバランスよくこなしながら、島暮らしを楽しんでいる。

一方、共に移住した間瀬さんは島の居酒屋でアルバイトをはじめ、そこで出会った人の縁で移住から1ヶ月後には奄美大島でダンスインストラクターのクラスを持つことができた。そんな島と、そこでつながった人との縁に感謝する二人は、移住から1年「奄美に貢献したい」という思いも強くしている。


ある1日のスケジュール/
10:00 起床自宅で仕事(またはプライベートタイム)
13:00 昼食
14:00 自宅で仕事(またはプライベートタイム)
19:00 ※間瀬はダンス講師など
    ※夕食時間はその日の予定によってばらばら
02:00 就寝

島データ/
奄美大島(鹿児島県奄美市、鹿児島県大島郡龍郷町・大和村・宇検村・瀬戸内町)
人口60,092人(H30.6月時点)
面積712.35km²

離島経済新聞 目次

『季刊ritokei(リトケイ)』25号「仕事はネットで暮らしは島で 在島WORK」特集連動記事

『季刊ritokei(リトケイ)』25号「「仕事はネットで暮らしは島で 在島WORK」特集掲載記事をはじめ、紙面にて紹介した記事のノーカット版等を、有人離島専門ウェブメディア『離島経済新聞』にて公開しています。

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