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【特集|島づくり】子宝と長寿が両立する島で進む 新しい枠組みと古き良き宝の継承

日本一の合計特殊出生率を誇る一方、100歳以上の高齢者が多く暮らし「子宝と健康長寿の町」として知られる、徳之島(とくのしま|鹿児島県)南部の伊仙(いせん)町。幅広い世代の「産みやすさ」「育てやすさ」「老いやすさ」を目指す、伊仙町の島づくりについて取材した。(写真提供:伊仙町)
※この記事は、『季刊ritokei』23号(2018年2月下旬発行)「注目の島づくり特集」連動記事です。

日本一の子宝・健康長寿の町 伊仙町

日本一の合計特殊出生率「2.81」(※1)を誇る一方で、100歳以上の高齢者が22人暮らしていることから「子宝と健康長寿の町」として知られる徳之島南部の伊仙町(2018年2月時点)。

※合計特殊出生率……人口統計上の指標で、1人の女性が出産可能とされる15〜49歳に産む子どもの数の平均値。厚生労働省が5年おきに公表している市区町村別の合計特殊出生率によれば、2008〜2012年の伊仙町の出生率平均は2.81

2015年11月、同町は中高年の移住促進による人口減少対策事業「離島版CCRC(※)」を開始。しかし、ターゲットを絞り込んだ町政は早々に方向転換を迎える。

※ CCRC……「Continuing Care Retirement Community」の略。高齢者が健康なうちに入居し、継続したケアを受けながら終身で過ごすことが可能な生活共同体の意味

2016年夏、大久保明町長は東京を訪れ、大手町プラチナ大学「ヨソモノまちづくりコース」で講演し、受講生16人が島を訪れた。すると、島を訪れた受講生の多くが「地域での多世代の交流が健康長寿と子宝日本一の『両立』を実現している」と話した。

この意見をきっかけに、大久保町長をはじめ町職員らは島特有の地域のあり方を捉え直し、町が目指すべきは特定世代だけを対象とする移住促進ではなく、全ての世代に向けて、「産みやすさ」「育てやすさ」「老いやすさ」のある「暮らしやすさ」を打ち出すことだという方向性を明確にした。

都市部から人を集めるサテライトオフィス事業

その後、同町は「生涯活躍のまち」を掲げ、その実現に向けた活動を多方面に展開。総務省が推進する2017年度「お試しサテライトオフィス」事業(※)で、全国の離島で唯一のモデル公共団体に指定された。

※「お試しサテライトオフィス」事業……三大都市圏内に本社が所在する民間企業等に対して、地方公共団体が魅力的なサテライトオフィスを提供するモデル事業

サテライトオフィス誘致が実現すると、都市部からの新たな人の流れが創出され、遊休施設や空き家の利活用、雇用の確保、地元経済の活性化なども期待できる。実際、伊仙町では2017年7月以降、22の企業が町内での「お試し勤務」を実施し、オフィス設置を検討する企業も数社出現している。

無料受講できる学びの場「いせん寺子屋」

他方、町内の健康増進施設では、子育て支援や要介護にならない体づくりなど多彩なプログラムを開催。2017年1月に開講した「いせん寺子屋」では、小学4年〜高校3年生が無料で受講できる教育の場で、キャリア教育や東大生による受験指導と並んで、環境や伝統、歴史を学べる受験対策などを実施するほか、町民が地域の伝統や文化を学べる「徳之島学」も展開するなど、島を担う人材育成も視野に入れている。

徳之島に移住し、現在は同町未来創生課に勤務する松岡由紀さんは「島には1人暮らしの高齢者がいたとしても孤立させず、周囲が支え見守る文化があります」と話す。

新たな枠組みを取り入れながらも、地域の良さをしっかり受け継いでいく。そうした動きが、町民はもちろん、移住者にとっても魅力的な町をつくっている。

離島経済新聞 目次

『季刊リトケイ』23号 「島づくり」特集連動記事

現在、日本では「東京一極集中」「消滅可能性地域」「地方創生」といった言葉が踊り、離島地域に限らずさまざまな地域で振興策が促されている。そこで『季刊リトケイ』23号では島々の地域振興事情を特集。それぞれの島で人々が健やかに暮らしていくためには、どんな考えを持ち、何を実行すべきか。読者・有識者・島づくりの実践者の声をもとに、愛する島の未来を築く島づくりのヒントを集めました。特集記事はじめ紙面にて紹介した記事のノーカット版等を、有人離島専門ウェブメディア『離島経済新聞』にて公開しています。

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