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【特集|島づくり】「エネルギーの島」を目指して。五島市で進む再生可能エネルギーの取り組み(前編)

長崎県五島市では、福江島(ふくえじま|長崎県五島市)沖で日本初の浮体式洋上風力発電所が稼動し、発電量を現在の2メガワットから2021年度までに22メガワットに増強する計画が進む。海峡を流れる潮の力を利用した潮流発電の実証事業も進行している。五島市で進むエネルギー自給の取り組みについて、市の担当者に話を聞いた。(写真提供:五島市)
※この記事は、『季刊ritokei』23号(2018年2月下旬発行)「注目の島づくり特集」連動記事です。

日本で初めて実用化された洋上風力発電設備「はえんかぜ」

再エネでエネルギー完全自給の島へ

長崎県西部の東シナ海に大小152の島が連なる五島列島。その西南部に位置する五島市は11の有人島と52の無人島からなり、37,631人(※)が暮らしている。

※2018年1月31日(自治体最新統計)

「エネルギーのしま」を目指す五島市は、2014年に「再生可能エネルギー基本構想」を策定。2030年度に100パーセント超のエネルギー自給率達成を目標に掲げ、発電やメンテナンス事業の産業育成を行ってきた。

2014年から2015年にかけて、椛島(かばしま|長崎県五島市)沖で環境省による洋上風力発電の実証試験を実施。

洋上風力発電は風車を洋上に浮かべるため、陸上に比べ風速が強く変動が少ない。効率的で安定的な発電が行えることに加え、景観や騒音、低周波音等の影響も小さくなるのが特長だ。

2年間の実証試験では、風車の周辺海域及び椛島内で季節ごとに、水質や鳥類のバードストライク、生態系調査や漁獲試験なども調査された。その結果、「調査した全ての項目について環境への影響が小さいことが確認されました」と五島市再生可能エネルギー推進室の担当者は語る。

この実証試験を経て、福江島沖に発電設備が設置され、2016年春より国内初の浮体式洋上風力発電所として商業運転を開始した。

メンテナンスなど関連産業の雇用を創出

市内では、風力発電設所の保守管理を行う企業「イー・ウインド」が社員3名で2008年に発足。当時、島で始まっていた陸上風力発電の設備メンテナンスから事業を始めた同社は、10年目となる現在、約30名を雇用するまでに成長。商用運転が始まった洋上風力発電設備の保守管理にも携わる。

地元で進められてきた実証実験などで培った実績と、保守対応の迅速さや的確さなど技術力が高く評価され、同社では設備メーカーから推奨メンテナンス事業者の指定も受けている。

メーカーなどから評判が伝わり、北海道など島外の企業からも出張メンテナンス依頼を受けるなど、島内外に活躍の場が広がっている。
記事後編へ続く)

離島経済新聞 目次

『季刊ritokei(リトケイ)』23号 「島づくり」特集連動記事

現在、日本では「東京一極集中」「消滅可能性地域」「地方創生」といった言葉が踊り、離島地域に限らずさまざまな地域で振興策が促されている。そこで『季刊リトケイ』23号では島々の地域振興事情を特集。それぞれの島で人々が健やかに暮らしていくためには、どんな考えを持ち、何を実行すべきか。読者・有識者・島づくりの実践者の声をもとに、愛する島の未来を築く島づくりのヒントを集めました。特集記事はじめ紙面にて紹介した記事のノーカット版等を、有人離島専門ウェブメディア『離島経済新聞』にて公開しています。

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