つくろう、島の未来

2018年12月19日 水曜日

瀬戸内海の周防大島諸島(すおうおおしましょとう|山口県)の一つ、浮島(うかしま|山口県)はカタクチイワシ漁が盛んな「いりこの島」として知られる。ふるさとの島の水産物を原料に特産品を開発し、伝統産業を下支えする新村一成さんに話を聞いた。(写真提供:株式会社オイシーフーズ)
※この記事は、『季刊ritokei』23号(2018年2月下旬発行)「注目の島づくり特集」連動記事です。

いりこ製造に向かないカタクチイワシを加工した「オイルサーディン」

瀬戸内海に浮かぶ、いりこの島

周防大島諸島の中心、屋代島(やしろじま|山口県)から浮島へは、1日4便就航する連絡船で約30分。面積2.27キロ平方メートルの島に、223人が暮らしている。

※2017年4月1日自治体最新統計

浮島の主な産業はミカン栽培などの農業と漁業。7月から10月にかけて付近を回遊するカタクチイワシを獲るイワシ漁が盛んで、水揚げされたカタクチイワシを島内にある加工場で、いりこ(煮干し)に加工。山口県産いりこの半数以上を生産する「いりこの島」だ。

独自ルールを設け持続可能な漁を実施

カタクチイワシは鮮度が落ちるとえぐみや臭みが出やすいため、いりこづくりは鮮度が命と言われる。漁場と加工場が近い浮島では、早朝に獲った魚をすぐに煮て、天日などで干し、その日のうちに完成させる。こうして仕上げた浮島産いりこは、風味が良く柔らかいのが特長だ。

新鮮なカタクチイワシを加工し、風味が良く柔らかい浮島産いりこ

浮島では、5軒の網元がイワシ漁を営むが、末長く漁を続けるために独自のルールを取り決めている。漁を行うのは午前10時まで。漁場は1~5番まで番号が付けられ、クジで順番を決めて日替わりの輪番制で漁を行う。

漁業は、島にU・Iターンする若者らの雇用の受け皿にもなっている。網元の家に生まれた新村一成さんは、「ちょっとくらいやんちゃな子でも、漁をやりたい若い人は大歓迎。先輩漁師が面倒を見る風土があります」と話す。
(記事後編に続く)

離島経済新聞 目次

『季刊ritokei(リトケイ)』23号 「島づくり」特集連動記事

現在、日本では「東京一極集中」「消滅可能性地域」「地方創生」といった言葉が踊り、離島地域に限らずさまざまな地域で振興策が促されている。そこで『季刊リトケイ』23号では島々の地域振興事情を特集。それぞれの島で人々が健やかに暮らしていくためには、どんな考えを持ち、何を実行すべきか。読者・有識者・島づくりの実践者の声をもとに、愛する島の未来を築く島づくりのヒントを集めました。特集記事はじめ紙面にて紹介した記事のノーカット版等を、有人離島専門ウェブメディア『離島経済新聞』にて公開しています。

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