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【特集 | 島づくり】佐渡島で始まった中高校生たちの主体的な島づくり「佐渡を豊かにする中高生PROJECT」

「ふるさとの島を豊かにするにはどうしたら良い?」佐渡島(さどがしま|新潟県佐渡市)の中・高校生がアイデアを持ち寄り、島おこしプランを企画。大人のサポートを受けながら次々と自主企画を形にしている。プロジェクトを支援する佐渡中等教育学校の宮崎芳史教諭に話を聞いた。(写真提供:佐渡中等教育学校)

中高生の主体的な島づくり活動

佐渡では中高校生が集まり自分たちの考えを語り合うイベント「佐渡のしゃべり場」が2015年に始まり、佐渡の地元有志らによる「佐渡キャリア教育ネットワーク」の運営で、「佐渡でセカイ(海外・社会・多世代・様々な仕事)とつながる」などのテーマで定期開催されてきた。

この活動の一環で、2017年春は「佐渡を豊かにする中高生PROJECT」をテーマに島の未来を担う10代から島づくりのアイデアを募集。自主的に集まった中高生が、ふるさとの佐渡を豊かにする島づくりプランを企画した。

参加した中高生はアイデアを持ち寄り、企画を実行するためのチームを結成。専門の講師から企画の立ち上げや計画の立て方、伝わりやすい発表方法、協力者の探し方などを学び、企画を磨き上げた。

地域住民を集め、7チームが自ら考えた企画をプレゼンテーションした発表会には、子どもから大人まで様々な世代の住民が集まった。中高生の発表を見て「プロジェクトに役立ててほしい」と寄付を申し出た来場者もいたという。

高校生が5つの企画を実現

その後、発表会に参加した高校生たちは、5つの自主プロジェクトを実現。そのうち、佐渡中等教育学校の5年生が取り組んだ3つのプロジェクトを紹介する。

2017年4月、同プロジェクトの第一弾として、佐渡中等教育学校5年生7名の「S007」チームが「あの日見た佐渡の景色を僕達はもう忘れないPROJECT 〜SPRING IMAGINATION〜」と命名した屋外カフェイベントを主催。神社境内に咲いた満開の桜の下で、カフェや菓子・雑貨などの販売、着物の着付け体験、バルーンアートなどを実施し、約180名の来場者を集めた。

桜の咲く神社境内で催された屋外カフェイベント(「S007」チーム)

続いて、7月には、佐渡中等教育学校5年生5名の「Sフェス」チームが海辺でスポーツや音楽、食を楽しむ「Sフェス」を開催。100名を超える来場者が海遊びやビーチサッカーなどのアクティビティ、DJやサックス演奏などの音楽ライブ、バーベキューを楽しんだ。イベントのロゴマークもオリジナルでデザインし、グッズも販売。当日の運営やイベント後の海岸清掃などでは、揃いのロゴ入りTシャツを着用した同学年の生徒約20名がボランティア参加でサポートした。

左:地域の祭での「Sフェス」PRと募金活動/右:当日の様子(「Sフェス」チーム)

また、「佐渡を豊かにする中高生PROJECT」発表会で最優秀賞を獲得した佐渡中等教育学校5年生6名の「WitHus」チームは、地元企業や商工会、ライフセイバーなどが7月末に開催した「海の日フェス」で水上アスレチックのブースを出展した。資金として個人からの寄付や企業24社の協賛を募り約50万円を集め、島外の業者から設備をレンタル。イベント当日は島に合宿に来ていた小学生団体や地元小・中学生など157人が海に浮かぶアスレチックを体験した。

「海の日フェス」で人気を集めた水上アスレチック(「WitHus」チーム)

地元の共感と応援、協力を得る

佐渡キャリア教育ネットワークと連携し、3プロジェクトをサポートした佐渡中等教育学校の宮崎芳史教諭は「地元の協力があってこそ、生徒たちの企画を実現できた」と振り返る。

高校生たちが自主企画を実現させる過程では、佐渡市の地域おこし協力隊メンバーらが各チーム専属のメンター(※)として企画実現までをサポートした。

※メンター……仕事上や人生の指導者、助言者。指示や命令ではなく、助言と対話による気づきで被育成者の自発的・自律的な成長を促す

イベント資金の募金や協賛に応じてくれた個人や企業など、ふるさとのために頑張る中高生に共感し応援してくれた地域の方々との出会いもあった。イベント運営においても、水上アスレチックでの安全管理など、地域の大人のサポートも受けながら実施し、無事故でイベントを終えることができたという。

自分自身や島への自信と誇りに

佐渡の高校生たちの自主的な島づくりの取り組みは島外からも注目を集めた。2017年9月、新潟県内の起業家支援に取り組む「新潟アントレプレナーシップラボ」が「佐渡を豊かにする中高生PROJECT」のプロジェクト報告会を新潟市内で開催。先進的なキャリア教育の事例として取り組みを紹介した。

佐渡から招聘された佐渡中等教育学校生らが3つのプロジェクトについて発表すると、来場者からは「生徒たちが地域のことを想って活動していることが素晴らしい」「社会に開かれた教育課程の先進的な取り組みだ」などの声が寄せられ、来場していた地元青年会議所のメンバーが今後のプロジェクトに向けた支援組織を立ち上げるなど、大きな反響があったという。

新潟市内での報告会にも同行した宮崎教諭は、「どこか自信なさげだった生徒たちの顔つきが、プロジェクトを経て変わっていくのを感じた。地域と関わりながら自分たちで考えた企画に取り組む経験を通して、自分自身や学校、佐渡への自信と誇りにつながったようです」と話す。

2018年は佐渡中等教育学校の3年〜4年生14名が参加。1月下旬に島を活性化させるアイデアを出し合い、2月に企画づくりの研修、3月中にプロジェクトの発表会が計画されている。地元青年会議所が立ち上げた支援組織のメンバーを中心に地域の大人がプロジェクトをサポートし、新たな島づくりに取り組む。


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『季刊リトケイ』23号 「島づくり」特集連動記事

現在、日本では「東京一極集中」「消滅可能性地域」「地方創生」といった言葉が踊り、離島地域に限らずさまざまな地域で振興策が促されている。そこで『季刊リトケイ』23号では島々の地域振興事情を特集。それぞれの島で人々が健やかに暮らしていくためには、どんな考えを持ち、何を実行すべきか。読者・有識者・島づくりの実践者の声をもとに、愛する島の未来を築く島づくりのヒントを集めました。特集記事はじめ紙面にて紹介した記事のノーカット版等を、有人離島専門ウェブメディア『離島経済新聞』にて公開しています。

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