つくろう、島の未来

2018年12月11日 火曜日

2017年8月、壱岐島(いきのしま|長崎県)で地元中小企業のサポートを目的に「壱岐しごとサポートセンターIki-Biz(イキビズ)」が開設された。全国公募で選ばれたベンチャー起業家の森俊介氏がセンター長に就任し、開設してからの相談件数は12月14日時点で338件。牛乳配達に高齢者の見守りサービスを付加した新サービスが生まれるなど、島内ビジネスの活性化につながっている。(写真提供:Iki-Biz)

牛乳配達に高齢者の見守りサービスをプラスした「寄って(見)ルク」

牛乳配達に高齢者の見守りサービスをプラス

約2万7千人(※)が暮らす壱岐島で、乳製品配達業を営む有限会社池田乳業の山川さんは、新しい事業のアイデアを求めてIki-Bizを訪れた。山川さんの仕事内容について担当者と話すなかで、山川さんが配達をしながら常に島の高齢者とコミュニケーションをとっていることや、配達先の高齢者宅で、夫が倒れて動転する妻の代わりに救急車を呼ぶなど、高齢者の窮地を救っていたことも話題に上ったという。

※2017年9月自治体統計

そこでIki-Biz側から「牛乳配達の際の高齢者の見守りを事業化してはどうか」と提案し、山川さんは牛乳配達に高齢者の見守りを付加したサービス「健康と安心の牛乳配達、寄って見(ミ)ルク」を企画。月に800円以上の乳製品配達を申し込んでいる家庭について、300円の追加料金で安否確認連絡が受けられるようにした。

契約対象者として見込むのは、10万人以上いるともいわれる島外で暮らす壱岐島出身者。広報用のチラシを制作し、壱岐島出身者の集まる「壱岐雪洲会」で500名に配布するなど、「離れて暮らすおじいいちゃんおばあちゃんへ親孝行を」と呼びかけている。

かゆい所に手が届くお酒の30分デリバリーを実現

一方、個人経営の酒屋を営む若宮酒店の若宮さんは、量販店との価格競争や減り続ける島内消費に悩み、Iki-Bizに相談した。

担当者との相談のなかで、店の利用客には合宿やバーベキュー向けの利用客が多く、予算に応じて酒やつまみをバランス良く提案することが得意だと分かった。また、若宮酒店は近隣の酒販店に比べて営業時間が長く、21時までの注文で島内全域に当日の配達を行っていた。

これらの強みを活かし、Iki-Bizでは宅配ピザのような気軽さで注文できる「お酒の30分デリバリー」サービスを提案。同店の強みを武器に顧客のニーズに応える新サービスがスタートし、合宿などが増える夏場の需要を見込んでいる。

地元で愛されるドーナツが、観光客のお土産に

左:リニューアル前の商品/右:新商品「しもん・デ・リング」

栄養価が高くおいしい壱岐島産のシモン芋(※)を原料に、地元で愛される「しもんどーなつ」を製造販売する長嶋さんは「10年以上使っているラベルを一新したい」とIki-Bizに相談した。

※別名「白甘藷」「白さつまいも」とも呼ばれる南米原産の芋

試食したドーナツの味に「もっと売れるはず」と確信したIki-Bizセンター長である森俊介さんが、観光客らも手に取りやすいよう、パッケージデザインとネーミングのリニューアルを提案。

商品名を「しもん・デ・リング」とし、ロゴマークをあしらった持ち歩きしやすいパッケージに変更し、観光客らが多く立ち寄る港の売店や大手スーパーマーケットに販路を開拓。売り場で目立つようポップも制作して商品とともに陳列した。

ドーナツの製造は従来1週間に1度で対応していたが、リニューアル発売後は週に度々追加発注が入るようになり、追加製造を行い対応しているという。リニューアルに伴い販売単価もアップさせたことから、利益率の向上にもつながっている。


【関連サイト】
壱岐しごとサポートセンターIki-Biz

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