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寄稿コラム

新卒2年目、小笠原無人島ぐらし。#03後編

#03 後編 無人島で気づいた僕の生き方

1年の3分の1を小笠原の無人島で生活する無人島系男子が、島の日常・非日常を綴ったコラム。知られざる無人島での生活について、ちょこっとだけご紹介する第3回の後編。何もない無人島で暮らす中で僕がふと気づいた、自分の「好きなこと」とは…?

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こんにちは、シンペーです。
台風の影響で無人島滞在期間が6泊7日になり、父島へ帰るのが待ち遠しい今日この頃です。
さて、前回に引き続き、無人島ぐらしの中で気づくことについて。

無人島で生活するうえで気をつけなければならないのは、体調管理だけではありません。

テントを建てているすぐ側には、アオウミガメの産卵場所や固有種のスナハキバチの巣があり、少し丘を上がれば固有種植物や昆虫、クロアシアホウドリの繁殖地があります。
このような貴重な自然が残っている島で生活をするには、そういった動植物たちにも十分配慮しなければいけません。無闇に立ち入らないことは勿論、彼らに影響を与えうる外来種を持ち込まないように細心の注意を払います。

特に、希少な固有種を捕食するグリーンアノールというトカゲや、ニューギニアヤリガタリクウズムシというプラナリアは、聟島や媒島にはまだ生息していない外来種であるため、これ以上被害を広げないためにも、事前に衣服や靴の裏、資材などに紛れ込んでいないかチェックします。
外来種植物の種子に関しても同様で、もし付着していた場合は粘着シートや海水を使って取り除きます。

来たばかりの頃はいちいち面倒くさくて仕方なかったですが、今はそれが当たり前。
もし、外来種が持ち込まれ繁殖してしまったら、それらを駆除することの方が何万倍も大変だってことを体感しているからです。

地道な作業ですが、島で生活するうえで大切なマナーです。

・・・

と、このように、今ではこの無人島生活にもすっかり慣れ、ごく普通に生活していますが、最初は環境に圧倒され、それに適応することで精一杯でした。
でも徐々に慣れてくると、ここはある意味何もないところ。物足りなさを感じ始めます。
そうするとパソコンでものを書いたり、何かを作ったり…。
そうすると、ふと気づくんです。
此処にきた理由の一つが、そういった“世俗的(?)なことを避ける”ためだったにも関わらず、結局そういうことをやっている自分がいることに。
こんなところに来てまでわざわざやっているのだから、なんだかんだ自分は何かを作ることが好きなんだな、と思わされました。

無人島のような限られた環境での生活には、このように普段はあまり気づかないシンプルなことを発見できる面白さがあるなぁと感じます。
水や食べ物、文明の利器など、普段生活していて、当たり前にあると思っていたものの有り難さに気づける、というのも同様。無人島とまではいかなくても、何かと物理的な制限のある「島」で暮らすことの醍醐味の一つだと思います。

島とは無縁な人たち、例えばかつての僕のように、エアコンの効いた部屋で四六時中パソコンに向かっているような人たちには、是非とも島に来てみることをおすすめしたいです。
一見、正反対に見える環境に飛び込むことって、気分転換にもなるし、本来の環境との差分のなかに、自分にとって大切なことを見つける手助けにもなるので。
それに、本土の田舎に行くよりも多くの非日常を感じられて、海外の辺境に行くよりも手っ取り早いですしね(場所にもよりますが)。

そんなことを、無人島ぐらしの中で思いましたとさ。

・・・

最後は少し話が逸れましたが、2回にわたって無人島での生活について紹介しました。
もし、「もっと無人島での生活を知りたい!」という方がいましたら、
Ash in OGASAWARA』という無人島の様子を載せた自己満足的ブログを書いているので、そちらを覗いてみてください。

では、また。

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