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寄稿コラム

【島Column】百島百祭 #100 広島県・生口島 古き良き伝統に素朴さが交わる「名荷神楽」3

島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は、芸予諸島の中心・生口島(いくちじま|広島県)の、古き良き伝統に素朴さが交わる「名荷神楽」を3回にわたりお届けします。
(名荷神楽2はこちらから)

すっかり赤ら顔となった人形と共に、名荷神社(みょうがじんじゃ)・本殿へと参拝し、色のにじみ具合で吉凶を占う。託宣神事の名残を感じる「三宝荒神(さんぽうこうじん)」が終わると、若者たちによる「四天」が演じられた。

「四天」は、仏教の五大明王の中央に位置する不動明王、東方の降三世(ごうざんぜ)明王、南方の軍荼利(ぐんだり)明王、西方の大威徳(だいいとく)明王、北方の金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王の四明王を表している。

四明王は春夏秋冬を表現しているとも言われ、御幣(ごへい)を持って舞い、お釈迦様に逆らった仏教の異端者、提婆(だいば)を問答で打ち負かすというものだ。

小さな島の神楽だが、こうやって次の担い手たちに引き継がれていく様を見ると心が温まる。そして最後の演目「大蛇(おろち)」で大蛇が倒されると、観客から拍手が起こり、名荷神楽は幕を閉じた。

火を噴く大蛇や豪華な衣装など、派手な神楽が多い中、生口島の名荷神楽は、素朴な衣装で、神事本位の伝統を現在に伝える貴重な神楽だった。

途中、景品が当たるおみくじが行われ、集落一体で神楽を楽しんでいるような空気感もとても良かった。昔は良い当たり札が出るまで、夜通し行われていたらしいというから驚きだ。

瀬戸内海の島で脈々と受け継がれてきた、人々の心を笑顔にする名荷神楽。地元では若手の不足などもあるかもしないが、これほど素晴らしい神楽を、これからも続けていってほしいと切に願う。

◆祭情報◆
日程 毎年4月第一日曜日
場所 生口島(広島県尾道市)

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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