つくろう、島の未来

2018年11月18日 日曜日

島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は、新潟県の離島・佐渡島(さどがしま|新潟県)の田仕事をユーモラスに演じる「田遊び神事」をお届けします。
田遊び神事1はこちらから)

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13時を過ぎた頃、拝殿前に正装した男性が集まり、やぶさみ式(お弓神事)が古式に乗っ取り執り行われた。

射手が正面の的(まと)や拝殿の屋根、足元の地面に向けて、矢を射る構えをした後、正面の的に向けて、矢を放つ。ピンと張られた弓弦のように凛とした空気に包まれ、見事、的に命中すると、見ていた人々から歓声があがった。

その後、拝殿内の舞台で田仕事の一年を演じる田遊び神事が始まる。

一生懸命に田仕事に精を出す田人を、「カラス」や「モグラ」が登場し、作業の邪魔をしていくのだが、それが非常にユーモラスで面白い。

最初の方は、田人を倒そうとしたり、墨を塗ったりと、かわいらしい妨害の仕方だったが、やがて、大きな雪の塊を思いっきりぶつけたりと、どんどん邪魔の度合いがエスカレートしていく。

冬の寒い空気の中、雪をぶつけられる様は、みているこちらまで身震いしそうになる。しまいには、田人の男性を担ぎ上げて境内の木に縛り付けるという傍若無人な暴れっぷりまで。喜劇顔負けのおもしろい展開に、観客からは笑い声が溢れていた。

「いろいろな妨害・障害に遭っても決して挫けることなく農作業に励め」との教えに基づくようで、カラスやモグラが暴れれば暴れるほど、豊作になるという。

厳しい自然環境にある雪国の島だからこその教えだなぁと、自然と共に生きている佐渡島の人々の勤勉さを感じた。

●新潟県佐渡島・田遊び神事3へと続く

◆祭情報◆
日程 毎年2月6日
場所 佐渡島(新潟県佐渡市)

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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